コロナ不況はリーマンショックより対応が困難。V字回復はあり得るか?

新型コロナ不況はリーマンショックより対応が困難だが、一度回復し始めれば回復も早いはずだ、と筆者(塚崎公義)は考えています。

リーマンショックは単純だった

リーマンショックは深刻な不況でしたが、「金融機関の収益が悪化して金融システムが痛み、金融仲介機能が麻痺したことで、実体経済にも深刻な打撃が加わった」という従来型の金融危機でした。

したがって、何をすれば良いかは分かっていたわけです。金融システムを健全化して金融仲介機能を回復させること、並行して落ち込んだ需要を回復させること、そのためには金融を緩和し、金融機関に公的資金を注入し(増資させて政府が引き受けることで金融機関を健全に戻す)、減税や公共投資で需要を刺激する、というわけですね。

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それ以上に重要なことは、とにかく思い切り頑張れば良かった、ということです。大きな怪獣が出現したので、思い切って持っている武器を全部使って攻撃した、というわけですね。

それに対して今次新型コロナ不況は、未知の病との戦いであることに加え、思い切り攻撃すれば良いというわけでないので、対応が困難です。

医学的には「ウイルスを殺そうと強い薬を使うと副作用で人間が死んでしまう」ということがあるのでしょうが、本稿の関心事項は「外出の自粛をやりすぎると需要が減りすぎて経済が死んでしまう」ということにあります。

これは、政府にとって難題です。自粛が足りなければ感染が拡大して大勢の死者が出かねませんが、自粛が過ぎれば不況が深刻化して大勢の失業者や自殺者が出かねませんから。

参考記事

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
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(雑誌寄稿等)
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