政治家が保身を図るとすると自粛過剰になる、という問題もありそうです。自粛不足で感染が拡大すれば、必ず批判されるでしょうが、自粛しすぎて不況が深刻化しても「自粛しなければ大勢の死者が出ていたはずだ」と言えば追求はかわせるからです。

まあ、日本の場合には感染拡大の時期を遅らせることができているので、欧米の例を見ながら判断できるわけですから、不幸中の幸いと言えるのかもしれませんが。

今次不況は需要の喚起が困難

リーマンショックの時には、「人々の所得が減ったので消費が減った」「企業の売り上げが減ったので設備投資が減った」ということだったので、需要喚起策として減税や公共投資が有効に機能しました。

銀行が貸し渋りをして設備投資資金が借りられない、という企業も多かったですが、金融システムの強化をはかり、金融仲介機能を回復させたことで貸し渋りが減り、設備投資が増える、ということができました。

しかし今回は、人々の所得が減ったから消費が減ったというわけではありません。人々が外出できないので買い物ができないのです。したがって、消費税を減税しても国民に現金を配っても、消費は戻らないでしょう。

消費が戻らなければ、設備投資も出ないでしょう。そもそも設備投資したくても、設備機械メーカーの生産体制が機能するか否かも疑問ですし。

公共投資をすれば良いと筆者は考えていますが、政府は感染拡大を防ぐという観点から消極的なようです。