2020年3月28日にログミーファイナンス主催でライブ配信にて行われた「2020年 春のIR祭 YouTube ライブ ~第12回 個人投資家向けIRセミナー~」の第4部・プレミアグループ株式会社の講演の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:プレミアグループ株式会社 取締役 常務執行役員 大貫徹 氏\n元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏\nフリーアナウンサー 八木ひとみ 氏
大貫徹氏(以下、大貫):プレミアグループはなかなか馴染みがない名前だと思いますが、今回はこのような場をいただきましてどうもありがとうございます。説明させていただきたいと思います。
「“カーライフをトータルでサポート”するプレミアグループのオンリーワンビジネスとは?」ということで、始めます。
車関連のビジネスを手掛けている当社ですが、今は少子高齢化や生活スタイルの多様化、若者のクルマ離れなど、一般的には「クルマが売れない」と盛んにいわれる時代かと思います。
このようななかで、創業以来10年と少しの間ではありますが、カービジネスを中心に安定して右肩上がりに成長し続けているのが私たちプレミアグループです。
プレミアグループはなぜ、成長できたのか?
プレミアグループのビジネスは何がプレミアなのか?
その理由についてご説明していきます。
会社概要
まず会社概要です。プレミアグループ株式会社、東京証券取引所市場第一部、証券コード7199。設立は2015年5月と新しい会社ですが、主要子会社は2007年から設立して事業を開始しています。本社は六本木にありまして、社長の柴田洋一がファウンダーとして創業時からずっと当社を率いています。
グループの事業内容については、直近は車のクレジットに関するファイナンス事業と、車の自然故障を直す故障保証サービスを中心に続けていますが、先般発表した中期経営計画ではこの他にオートモビリティサービスを強力に推進していくことを発表しています。
沿革 創業10年で上場
続いて沿革です。2007年7月に、現在は株式会社IDOMになっていますが、株式会社ガリバーインターナショナルという車の買取と販売で当時日本一の中古車関連の会社の金融孫会社として設立しています。
ガリバーインターナショナルは車の買取と販売に特化していて、それ以外では車を販売・買取するにあたってのいろいろなファイナンスサービスや、パーツの仕入れ等々を手掛けていた会社です。
その後、株主が何回か変遷していますが、最終的には2017年12月に東京証券取引所市場第二部に上場し、その1年後に一部に市場変更と順調にきています。
10社以上のグループ体制で国内外へビジネス展開
プレミアグループの体制です。左手に日本国旗があって、右上にタイ、右下にインドネシアの国旗がございます。国内でも相当程度展開してきていますが、海外でもカービジネスの展開を行っています。
「10社以上のグループ体制」と書いてありますが、実際には1月に買収した会社が2社あります。設立した会社も3社あるため、実はもう16社ほどの体制になっており、ここ2~3年で急速にどんどん成長している企業グループです。
当社グループは「オートモビリティ企業」グループです
プレミアグループの事業内容についてご説明します。当社グループは「オートモビリティ企業」グループです。
7ページの内容が中期経営計画で打ち出したことなのですが、もともとオートクレジットを中心とするファイナンス分野と、左下の故障保証(ワランティ)事業に加え、現在はオートモビリティサービス……具体的には整備工場のリペアビジネスや、整備工場で使うシステムの販売、中古車部品の流通等々を進めているところです。
この3つのビジネスは非常に親和性が高いです。当社のメインのお取引さまである中古車販売店、もしくは整備工場にこのようなサービスを複合的に提供しているのが当社グループです。
国内外でオートモビリティに関連する事業を展開 (BtoBtoC)
国内外でオートモビリティに関連する事業を展開しています。基本的にはBtoBtoCのビジネスモデルで、先ほど申し上げたとおり、自動車販売店もしくは整備工場を経由して最終のお客さまにサービスを提供しています。
ファイナンス事業としては、メイン事業のオートクレジットに加えまして個人向けのオートリースを最近始めていますし、またショッピングクレジットも手掛けています。
故障保証分野については、故障保証では当社が日本国内で圧倒的にシェアNo. 1を誇っていますので、後ほどご説明します。
最後に、オートモビリティサービス事業です。ここでは本当にさまざまな事業を展開しています。当然、日本国内で行ったものを海外でも展開していますし、先ほど申し上げてないサービスとしてはIoTという記載があります。自動車のエンジンに直結するような機械なのですが、GPS機能が付いていて、エンジンの始動を制御することができる装置も展開しています。
どのようなときに使うかというと、分かりづらいと思うのですが、クレジット事業で展開しているお客さまに対して、支払いが滞ってしまったときにお車が自宅にあるときを見計らってエンジンを掛からなくしてしまうような取り組みができます。
八木ひとみ氏(以下、八木):そうなると、車が使えなくて困ってしまうので(お支払いいただける)ということですか?
大貫:はい、車が使えないと困るので、優先的に当社へ支払いをしていただける仕組みとなっております。これからもさまざまなサービスを展開していきたいと思っています。
売上構成
売上の構成でございます。今今のメインの事業です。クレジット事業が75.2パーセント、故障保証事業が22.3パーセントで、「その他事業」はオートモビリティサービスや海外事業で、これからどんどん成長していく分野です。
営業収益ベースでは2019年3月期で107億6,000万円ですが、ここも毎年右肩上がりで成長を続けています。
オートクレジットとは
続いて商品の説明に移りたいと思います。オートクレジットをご利用された方は非常によくわかると思うのですが、お車をご購入されたことがない方もいらっしゃると思いますので、説明します。
図の左側のプレミアが当社です。中古車販売店にお客さまがお車を買いに行きます。だいたい7割ぐらいのお客さまは現金でお買いになられるのですが、3割のお客さまは当社をはじめとしたクレジット会社と契約して、分割払いをします。
当然48回払いや60回払いでクレジットを組むことができますので、欲しいときに欲しい車が手に入るというサービスです。
故障保証(ワランティ)とは
故障保証です。こちらに関しては、よく保険と混同されることがあるのですが、保険は車の事故が起こったときにその損害を補填するサービスです。
当社が提供している故障保証は、例えば家電量販店で家電を買う際や、iPhoneを買った場合などに、メーカーの1年保証が付いていて、追加で5パーセントのポイント分を払うと5年保証になるなどというサービスがあると思いますが、あのサービスの車版と思っていただければ結構です。
新車はメーカーが3年保証しているのが通常ですが、中古車の場合はそのような保証がないケースがほとんどですので、安心安全で中古車をお買いいただくことができるサービスです。
「カーセンサーアフター保証」も実はプレミアグループのノウハウ
当社が提供している故障保証のなかには当然当社の名前で展開しているものもありますが、OEM提供のかたちで他の企業さまから提供させていただいている保証もございまして、なかでも有名なのがリクルートマーケティングパートナーズが提供しているカーセンサーという車媒体です。
カーセンサーはグーネットと並ぶ車媒体でございますが、こちらの加盟店で使える保証は当社が一手に引き受けている保証です。
創業以来順調に成長
クレジット事業と故障保証事業に関しては、図にあるとおり、創業からずっと順調に昨対比+10パーセントを超えるように成長を続けています。2019年3月頃はクレジット事業で債権残高が2,500億700万円、故障保証で31億8,000万円まで成長を続けてきています。
この成長速度はとくに鈍ることなく、順調に成長を続けており、クレジット事業は第3四半期時点で債権残高が3,000億円を超える状況で成長しています。
事業基盤であるオートクレジットのプレーヤーは少ない
オートクレジット分野の競合先ですが、この20年間でオートクレジット分野への新規参入社数は当社グループ1社だけです。今残っているプレイヤーは銀行系の信販会社が4社です。
以前はもっと競合先が多かったのですが、この20年で再編淘汰が進んでいる業界でして、現在はこの5社でオートクレジットの中古車市場のだいたいを占めている状況になっています。
カーライフ市場は巨大
当社が存在しているマーケットです。先ほど申し上げたオートクレジットに関しては、信用供与額が年間で約4兆8,000億円と、非常に大きなマーケットです。この数字には新車も含んでいますが、中古もかなり大きなマーケットです。
一方、車に関連するマーケットとしては自動車のリースマーケットや、自動車整備事業、また中古車の小売もございます。非常に大きなマーケットでして、先ほど当社の競合先として申し上げた会社の中には、基本的にクレジットやリースだけを取り扱っているという会社がほとんどです。このような大きな市場に関していろいろなアプローチができるところが、当社の大きな強みになっています。
プレミアグループの強み
続いて当社の強み、競争優位性について説明します。
プレミアグループには3つの強みがございます。独立系、専門性、営業力です。3つそれぞれご説明します。
強みその1:独立系
1点目は独立系です。競合他社はみなさま銀行または銀行の関連会社という状況で、日本では銀行法の法律によってできる事業が明文化されています。
競合他社の場合
銀行または銀行の子会社はそこに書いてある事業しかできないため、オートクレジットやオートリースのファイナンス事業を手掛けることはできますが、それ以外の当社が手掛けているような、中古車販売店が車を買ったり販売したりするときに欲しいサービスを手掛けることができません。
プレミアグループの場合
当社に関しては、故障保証や、車を仕入れたら直して売りますので整備・鈑金サービスを提供したり、はたまた新車を仕入れたりというようなことも当社を経由で行っていただくことで中古車販売店さまに利便性を提供しています。
当社グループは中古車販売店が欲しいサービスを一手に提供できるところが強みになっています。
強みその2:専門性
強みその2の専門性です。当社はガリバーインターナショナルの子会社という出自なので、ファイナンスに関する知識だけではなく、自動車に対しての知識を非常に多く持っています。
専門性
自動車に関するノウハウと、ファイナンスに関するノウハウを掛け合わせることで、自動車販売店が本当に欲しいサービスを提供できるということが当社の強みです。
強みその3:営業力
強みその3、営業力でございます。全国をカバーする強固なネットワークを誇っておりまして、北は北海道から南は九州まで、全国15拠点の営業拠点網を構えています。
またリアルな営業拠点だけではなくて、コンタクトセンターという電話を使った営業の部隊を札幌と福岡に2拠点設置しています。
営業力:強固なネットワーク
当社の株主でもあるリクルートさまの営業手法を勉強させていただいて、電話の営業部隊(コンタクトセンター)を作っています。他の信販会社と比べますとまだまだ営業拠点網も少なく、営業人員も少ない状況ではありますが、そこをきちんとカバーするような営業施策を取っていて、全国約2万2,000社による加盟店の強固なネットワークを築いています。
営業力:人財戦略
次に人財戦略です。2017年に新規上場したばかりの企業ではございますが、安定して新卒を採用しており、年間におよそ20名強の新卒を採用し続けています。
営業会社として注目していただきたいのは離職率が大変低いところです。2017年度に関しては5.9パーセント、2018年度は3.7パーセントです。5.9パーセントのときに、右上に記載のあるとおり、東洋経済ONLINEの発表する「若い会社なのに高収益で新卒もやめない会社」6位にランクインしました。
現在はさらにもう一歩進んでいます。この要因としては、当然お給料という面もありますが、ベースアップして福利厚生を充実させていき、女性の積極的な雇用も進めています。
右下には「就活美人が開催する『WOMAN’S VALUE AWARD 2019』で優秀賞を受賞」とありますが、若手新卒女性を積極的に採用してきた結果です。
中期経営計画の発表
次に成長戦略について説明させていただきたいと思います。
2020年2月14日に2023年3月期までの中期ビジョンを策定し、中期経営計画「VALUE UP⤴2023」を発表いたしました。
ここで動画をご覧いただきたいと思います。
動画をご覧いただきましてありがとうございます。ごくごく簡単にまとめたのですが、詳細を説明します。
中期ビジョンについて ― 目指すべき将来像
中期ビジョンについて、目指すべき将来像をご説明します。もともと、左下にあるようにオートクレジット、故障保証、その他のサービスで事業を展開していきましたが、これらをさらに体系化し、しっかりとシナジーを効かせてグループ自体を大きくしていきます。
ファイナンス事業と故障保証事業とオートモビリティサービス事業の3事業について、2023年3月期まで国内を中心に進めていきたいと考えています。
進めるのはオートモビリティの分野ですが、具体的には自動車販売店のネットワーク、整備工場のネットワークを引き続き拡大し、サービス投下をしていきます。
ファイナンス分野
まずファイナンス分野です。オートクレジットはメインの事業ですが、営業拡大を続けていきます。今までも右肩上がりで成長してきたのですが、もう少しレベル感を上げて成長していきたいと考えています。
営業拠点は現在の15拠点から10拠点増やして、25拠点体制にします。また、営業人員は現在80名ぐらいで、年間では5~6名純増という状態ではあったのですが、2023年3月期までに50名増の130名体制までしっかりと持っていきたいと思っています。
次に、オートクレジットのバックヤード分野の効率化です。銀行も含めこの業界はまだまだ労働集約型の産業ですので、バックオフィスは自動審査体制を確立していき、ペーパーレスを推進し、効率化を進めていきます。
当社の場合は業容がどんどん拡大していますので、人を減らすわけではありません。なるべく人員を増やさず効率化を進めながら成長していきたいと考えています。
次に、個人向けオートリースの拡大です。まだ始めたばかり(の事業)です。つい最近中古車のオートリースも始め、新車と中古車両方のオートリースが可能な状況になっていますが、クレジットと同様にストックのビジネスなので、残高が貯まってこないとなかなか収益化できないという環境です。早く収益化できるようにもっていきます。
債権回収ノウハウを用いて外部展開とありますが、実は4月1日にサービサーが1社、当社グループにジョインいたします。中央債権回収株式会社です。
この会社がとても珍しく、車の引き揚げ交渉ができるサービサーです。そのため、実は当社以外にもメーカー系のファイナンス会社や競合の信販会社が債権回収でこの会社を使っていたりします。
その会社の買収が決まったので、サービサーで引き揚げた車を使い、当社のネットワークの自動車販売店や整備工場に対して車を販売したりなどといったかたちでの活用を考えていきたいと思います。当然、債権回収はメインの信販事業にもプラスの効果がございます。
故障保証(ワランティ)分野
故障保証分野です。マーケット自体の拡大が必須とありますが、日本で売られている中古車のうち、当社のような中古車販売店ではない第三者の会社が保証をしているのは、販売台数のだいたい1割程度です。
年間で約300万台が消費者の手元に届くといわれてますが、そのうちの約1割に第三者が提供する故障保証が付いています。(その1割のうち)実は70パーセント強のシェアをすでに当社グループが持っています。
ということは、これからシェアをどんどん上げていくというより、中古車を買う際に故障保証をつけて買うという文化を醸成することの方が大事です。そこに関しては、今期の下期10月以降にラジオCM等をいろいろと打ち始めました。そこで効率的なPR施策を実施し、マーケットを拡大していきたいと考えています。
それ以外にも既存販売の強化と新形態での保証提供とあります。新形態での保証提供は、実は車のCtoC車販売です。
CtoCビジネスが成功しづらいといわれている業界ではございますが、しっかりと成功を後押ししていきたいと思っています。
また、新商品開発も随時進めていきたいと思っています。
オートモビリティサービス分野
オートモビリティサービス分野については、新3Rのビジネスを推進していて、ESGを意識した業務展開を進めていきたいと考えています。
リサイクルパーツビジネスに関して、実は2020年1月に部品商の事業会社と解体事業を行っている会社の買収を行っています。良質な部品を安く入手できるようになるため、当社の故障保証のビジネスの原価の低減や、当社のネットワークの販売店に対して安いパーツを卸していくことができるようになります。
リユースビジネスは、引き揚げ車両の有効活用でございます。
リペアビジネスは、現在当社が直営で経営している整備工場に先進機械等を導入しており、ノウハウが蓄積していますので、提携の整備工場ネットワークに対してもしっかりノウハウを提供して、高品質のサービスを提供してもらうようにしていきます。
海外展開
海外展開です。2023年3月期までは種まき期です。現在はタイとインドネシアだけで、東南アジアの国を中心にいくつか展開していこうとは思っていますが、本格的な展開はそれ(2023年3月期)以降に考えています。
今は国内をしっかりと進めていきたいと思っています。
ESGに関する取り組み①
ESGに関する取り組みです。資源循環型社会への取組、脱炭素社会への取組、社員教育の充実、ダイバーシティの推進等々を意識して進めていきたいと考えています。
ESGに関する取り組み②
ESGに関する取り組みのなかで、1月に株式会社VALUEという人財育成・教育会社を設立しています。ファイナンス会社でこのような会社を設立するのは非常に難しいと思うのですが、社員教育もきっちりと行って、組織風土をしっかりと作っていきます。
女性活躍推進の取組も非常に積極的に行っていますので、引き続き進めていきたいと考えています。
業績予想の上方修正について
皆様に宣言したいこととして、まず2019年8月8日に、2020年3月期通期連結業績予想を上方修正しています。
業績予想の修正ポイントは「会計上の見積りの変更」がございまして、当社の業績を第1四半期第2四半期第3四半期と見ていただくと、デコボコしていると思いますが、本業は順調に右肩上がりで成長を続けています。
2020年3月期予想
2020年3月期の予想です。営業収益は136億7,000万円、第3四半期で進捗率が74パーセント程度まできていますので、順調でございます。
当期利益の予想は20億5,000万円ですが、実は第3四半期で超えてしまっています。まだ上方修正はしていないのですが、昨今のコロナの状況なども加味して上方修正してはいません。本業は順調に右肩上がりで成長を続けていますので、ご期待いただければと思っています。
ビジネスモデル上ROEも非常に高いレベルで推移していますし、これからもこの成長を続けていけると考えています。
経営成績の見通し
中計の経営成績の見通しです。(今期の)営業収益は136億7,000万円と説明しましたが、来期、再来期、その先と順調に右肩上がりを続ける計画になっています。
税引前利益も同様に右肩上がりで成長を続けています。基本的に、クレジット事業と故障保証事業の2事業が順調に成長していけば、これぐらいは見えてくるだろうとして予想しています。点線部分の2025年3月期計画は非常に大きな数値になっていますが、ここにはオートモビリティサービスが寄与してくると計画しています。
2020年3月期予想
2020年3月期予想のROE、純資産総額、時価総額をご覧ください。時価総額について、株価に対しては直接できることはないのですが、多くの目標を抱えているとご理解いただければと思っています。
株主還元
株主還元です。順調に成長を続けているので、毎期毎期増配を続けていくということで、2020年3月期の1株当たり配当額に関しても、しっかり成長を続けていきます。
株価と指標
最新(2020年3月27日終値時点)の株価は1,567円です。昨今の状況はございますが、しっかりと成長を続けていきたいと思っています。
まとめ:プレミアの5つのポイント
まとめです。「オートモビリティ企業」グループとして、クレジット事業、故障保証事業の2事業をきちんと伸ばしていき、巨大なマーケットのなかで、独自の3つの強みを活かしながら増収増益を続けていきます。
プレミアグループのミッション
プレミアグループのミッションです。世界中の人々に「最高(プレミア)のファイナンスとサービス」を提供することと、一生懸命プロセスを積み上げることのできる心豊かな人財を育成することです。創業時からの理念をしっかりと守って成長していきたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:坂本慎太郎氏より質問
八木:大貫さま、ありがとうございました。それでは、質疑応答に移らせていただきます。みなさまからもコメントをたくさんいただいてるのですが、まずは坂本さん、お願いします。
坂本慎太郎氏(以下、坂本):はい。僕の質問は短めにしましょうか。
中計の話からお伺いしたいです。主力のオートクレジットの拠点を10拠点拡大して25拠点に、営業人員を50人から130人に増員するということでした。現状では日本にも営業所があり、深掘りしていくということでした。
多分まだアクセスしてない自動車販売店さまはあると思うのですが、大きいところにはあらかた当たったのかなとは思っていて、どちらかというとライバルのシェアを取りにいく方にいくのかなと思います。
オリエントコーポレーションなどがライバルだと思うのですが、このあたりの営業戦略をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
大貫:当社グループがオートクレジット事業を開始したのは2007年11月です。先ほど見ていただいたとおり、順調に右肩上がりで成長を続けておりまして、オートクレジットのシェアが中古で10パーセントを超えてきたというような状況です。ということは、まだまだ伸ばしていけますし、おっしゃるとおり白地のエリアも多数ございます。
競合他社と違って当社は独立系という強みがありますので、特定先からシェアを奪うというわけでもありませんが、しっかりと伸ばしていけると考えています。
坂本:ありがとうございます。続いて今後の成長戦略についてです。オートモビリティサービス分野のリサイクルパーツのバリューチェーンを1から作るのは難しいと思ったのですが、もうすでに規模が大きなところは買収されたのでしょうか。
すでにかなりの販売網を買収されたのかどうか、わかる範囲でいいので詳細を教えていただければと思います。
大貫:実は、自動車の整備やリサイクルパーツの業界には大手があまり存在していません。中小企業が非常に多く、例えば、パーツの販売先である自動車整備工場に関しては約9万社あるといわれています。
八木:そんなにあるのですか?
大貫:はい、おそらく美容室やコンビニと同じ程度の数だと思います。なかなか大手が参入しない業界に非常にチャンスを感じております。もちろん自前で作って参入しているところもありますが、基本的には小さくて優良な企業さまをM&Aさせていただいて、そこを核に全国展開を進めていきたいと思っています。
坂本:展開について、自動車販売店さまはアナログなところがまだ多いと思います。多分ネットワークで繋ぐ必要があると思いますが、そのあたりの用意、システム化についてもう少し詳しく教えてください。よろしくお願いします。
大貫:実は、整備工場向けにソフトウェアを作って展開しているソフトプランナーという会社を昨年買収していて、こちらで整備工場向けのシステムはしっかりと押さえていきます。また、自動車販売店向けに当社子会社でプレミアシステムサービスという会社を作っています。
そちらで自動車販売店のクレジット申し込みやリース申し込み、故障保証の申し込みができるだけではなく、お店側の事務作業など、車の販売に必要な機能を盛り込んだ仕組みをつくっています。そちらを自動車販売店向けに導入することで、システム同士をつなぐのは簡単です。
自動車販売店と整備工場のネットワークをきちんとつなぎ、そこで新たなビジネスチャンスを作っていくことを進めていこうと思っています。
坂本:ありがとうございます。最後に1点です。今の中計のお話だと今期の業績にも余裕があるようで、直近の決算でも良い進捗を見てとれるのですが、2025年3月期の伸びが加速しています。そのドライバー(についてご説明ください)。これは、中計の最終年が伸びているときにする質問です。
また、もうすでにM&Aをして、下地を整えてあとは伸ばしていくという話でした。さらにこのような機能が足りない、このような会社を買いたいなどがあればお伺いしたいと思います。
八木:資料38ページですね。
大貫:38ページに経営成績の見通しを出しています。そのなかで、基本的に中期経営計画は2023年3月期までであり、赤いカラーが入っているのも2023年3月期までです。
この数値については、現状の事業をしっかりと伸ばしていくことで到達できるということがある程度見えている数字だと思っています。
(一方、)2025年3月期は営業収益で400億円、税前利益で100億円と非常に大きな数値を設定しています。
中計で作っていくオートモビリティサービス分野をしっかりと伸ばしていき、また海外事業も2023年3月期が終わった段階ではある程度の収益を稼げる会社になっているため、大きめのM&A等も交えながらこの数字を達成したいと思っています。
坂本:ありがとうございます。
八木:それでは、コメントで寄せられた質問を見ていきましょう。
質疑応答:オートクレジット分野への新規参入が難しい理由
八木:「この20年間でオートクレジット分野に新しく参入したのは御社1社だとご説明いただいたと思います。5兆円近くの巨大市場であるにもかかわらず、オートクレジット市場への新規参入がない理由はどこにあるとお考えでしょうか」との質問をいただいています。いかがでしょうか。
坂本:14ページですね。
大貫:その点については非常によく質問されます。実際に参入してきた企業は当社1社だけではなくて、何社かは参入してから消えてしまったという表現が正しいところです。
なぜ参入障壁が高いかについてです。ファイナンス事業を始めるためには、それなりに資金を調達できたり、加盟店をきちんと開拓していく営業マンがいたり、クレジットの内容を審査して債権回収する部隊やノウハウが必要になります。それらの理由のためになかなか参入障壁が高いということがあります。
また、中古車というオートクレジットの分野においては、一般的にはこれ以上伸びないのではないかと思われているようです。
実際にマーケットの状況を見てみると、実は件数ベースでは中古車の登録台数がこの10年間ぐらいほとんど変わっておらず、横ばいです。
一方、オートクレジットに関しては件数は横ばいなのですが、金額は先程5兆円近いと話しましたが、右肩上がりで伸びています。
坂本:車の値段が上がっていることと、昔より貸せる期間がどんどん長くなっているのですよね。
大貫:おっしゃるとおりです。車の1台あたりの単価については、高度な機能が付いてきたり、電動化したり、単価が上がっていたりします。また、おっしゃるとおり良質な中古車に関して、今までは60回払いや、せいぜい84回払いが多かったのですが、120回払いも出てきています。
坂本:10年払いですか。
大貫:実際に120回分払い切るかどうかという問題はあるのですが、だいたいのお客さまは途中で早期完済して、新しい車をお買いになるかたちではございます。
(貸せる)期間が伸びているので、その分クレジットの金額は上がってきているという状況です。マーケットにあまり魅力を感じず、参入しない会社がいるとは思いますが、実はそんなことはないマーケットです。
質疑応答:オートクレジットマーケットにおける業務リスク
坂本:コロナの景気悪化によるクレジット支払いの遅延もリスクの1つだとは思いますが、目立った競争企業も見当たらないマーケットのなかでリスクを挙げるとするとどこでしょうか。
基本的に担保は取っているので、遅延した場合は回収すればいいかなとの考えだと思います。リスクは中古車市場の暴落なのですが、それも考えづらいなとは思います。そのへんはいかがでしょうか。
大貫:おっしゃるとおり、中古車は不況期に強い商材といわれています。新車は販売がけっこう鈍ることがあるのですが、どちらかというと中古車は生活必需品です。
都心に住んでいると、あまり車を使わないと思われるかもしれませんが、地方では(1世帯に)2台3台と車があるのが普通です。
そのような意味では、中古車の販売が突然落ちたりすることもありません。また、リーマンショックのときもそうでしたが、車は担保がありますので、支払いが滞れば他を引き上げて換価充当してしまえば、それほどリスクが大きい商材ではありません。
坂本:だいたいどのぐらい遅延したら引き上げるものなのでしょうか? 場合によって違うと思いますが。
大貫:おっしゃるとおり、場合によって違いますが、当社の場合はお客さまとの信頼関係が壊れたときです。具体的には、約束の不履行が度重なったときに関しては、ほかのファイナンス会社より早めに引き上げをしているようです。例えば、1ヶ月や2ヶ月の延滞でも引き上げてしまいます。そのような方は、行動を見てみると後々貸し倒れてしまう傾向が出ています。
坂本:御社はそのようにリスクを管理されているということですか?
大貫:おっしゃるとおりです。
八木:そのようななかで御社のリスクとして考えられるのは、どのようなことですか?
大貫:コロナウイルスの話もありましたが、いくら中古車が不況期に強いとはいえ、新車を買う際に中古車を手放すため、新車が売れなくなってしまうと、良質の中古車がマーケットに出回らなくなってしまうというリスクがあります。
このような状況がなるべく早く収束してもらいたいと思いつつ、(業績への影響は)それほど心配していない状況ではあります。
八木:採用方針などを見直す企業も多いと聞きますが、特別な対応や方針など、企業に関しての戦略に変更はないと見ていいのでしょうか。
大貫:はい、基本は変更なしで積極的に採用を進めていきたいのですが、採用活動自体もこの状況にあって結構制約を受けています。
当社の場合はまだ早め早めに手を打っていたため、今の大学3年生に関しては、一定程度確保できそうな目処は立っています。
そうはいっても、2020年3月期までに営業人員を50名増やすという目標を掲げていますので、そこに対しては若干まだビハインドがあるため、しっかりと進めていきたいと思っています。
坂本:中途というよりは新卒重視ですか?
大貫:基本的には新卒重視で、第2新卒を中心とした若い人財を通年採用で取っていく方針を掲げています。
八木:(新卒に)こだわっているのは何か理由があるのですか?
大貫:先ほど示したように離職率が低いという点もあるのですが、組織風土をがっちり作っていくところが重要だと思っているからです。
他社を経験してそれなりに知識がある方を即戦力に迎える方法もあるにはあると思うのですが、なかなか馴染めなかったりというようなリスクもありますので、一生懸命になんでもやる若い人財をしっかりと取って、一致団結して進んでいきたいと思っています。
八木:ありがとうございます。
質疑応答:東南アジアでの事業展開
坂本:東南アジアの展開についてです。現地のオートクレジット事業の状況を教えていただきたいです。この質問では、「ビッグプレーヤーはいるのでしょうか? (東南アジアでは)4輪より2輪の方が多そうなイメージがあります」などと来ています。
そのへんも含めて教えてください。よろしくお願いします。
大貫:もちろん、東南アジアと一括りにできるものでもなく、国ごとに状況が違うということはあるのですが、徐々に2輪から4輪に変わってきている国もございます。
先ほど、日本では車を買う際にクレジットが3割で現金が7割とお話ししたと思います。
東南アジアで特徴的なのは、クレジットが9割で現金が1割だということです。欲しいものをすぐに買い、後からお金を払っていくという国民性なので、クレジットに関してはポテンシャルが高い地域です。
一方で、債権に関するリテラシーといいますか、例えば口座振替する制度もなかったりなどという国民性もありますので、そこを担保し、IoTのデバイスなども合わせて展開していくことで、しっかりと債権保全を図りながら進めていけるかと思っています。
坂本:金利は日本より高いのでしょうか。
大貫:そこはもう高いです。
坂本:ベースの金利も高いため当然だとは思います。
大貫:おっしゃるとおりでして、日本では金利の規制があるのですが、外国では最近になってようやく無担保での規制が出てきたりするという状況です。
八木:具体的な話として「車離れが進んでいると聞くが業績に影響はないのか」との質問もあります。いかがですか?
大貫:それは本当に印象の問題です。とくに中古車に関しては実際問題数字的に全然下がっていないため、ここ数年はしっかりと伸ばしていけるのではないかと思っています。
新卒社員が一人前になるまで
坂本:人財に関してです。新卒から一人前になるまで、どのぐらいの期間が必要なのでしょうか。即戦力はなかなか難しいと思うのですが、入社されてから一通り営業ができるようになるまでの期間は、だいたいどのぐらいでしょうか。
大貫:だいたい3ヶ月ぐらいです。
八木:短いですね。
坂本:結構早いですね。
大貫:おっしゃるとおりです。しっかりとした教育のプランもありますし、専門の教育部隊もいますので、しっかりと教育して万全な状態でマーケットに送り出します。
マーケットには3ヶ月くらいで出ていけるのですが、完全に一人前になるにはやはり1年ぐらいかかります。
八木:それでも1年で一人前になるのですね。
2019年の風水害で業績は伸びたか
坂本:2019年の風水害のとき、車がダメになってしまった場合、資金が苦しい人は多分オートクレジットを使うと思うのですが、貴社(の業績)は伸びましたか?
大貫:実際に数字に表れるほど伸びている形跡はなかったと思います。ただし、例えば千葉県など、顕著に影響が出た地域に関しては、低単価の車が一定程度出たということもあります。
坂本:やっぱりあるんだな。すみません、個人的興味でした。
大貫:(笑)。
八木:そろそろお時間となりますので、ここで終了とします。改めましてご説明いただきましたのは、プレミアグループ株式会社取締役常務執行役員大貫徹さまでした。大貫さま、本日はありがとうございました。