2017年はやや減少したものの、2018年実績(約47万トン)は再び増加に転じており、過去最高だった2016年実績(約47万2千トン)に迫る消費量でした。2019年は再び減少となりましたが、それでも高水準(約45万2千トン)を維持しています。

ちなみに、2018年の消費量47万トン(生豆換算)は、緑茶の5倍強、紅茶の約29倍に上っています。特に、近年では緑茶の衰退が著しくなっています。

昔ながらの喫茶店の復権も

もちろん、家や職場でコーヒーを飲む需要が高まったこともありますし、コンビニコーヒーもあなどれません。また、豆の品種や産地、生産者にまでこだわりを持つ「サードウェーブ」と言われるコーヒー店も増えています。それを含めて、人口減少が始まったにもかかわらず、今も日本のコーヒー市場は成長市場なのです。

近年は日本各地にある昔ながらの古風な喫茶店の人気が復活傾向で、コメダ珈琲店や星乃珈琲店など”昭和レトロ風”なコーヒーチェーン店も出てきています。昔を懐かしむ世代の人も、昔を知らずに魅力を感じる若い人も、喫茶店でコーヒーを飲みながらゆったり流れる時間を楽しんでほしいものです。

葛西 裕一