また、ともに家庭の事情で希望する進学ができなかった両親は「子どもたちがやりたいことや行きたい大学は尊重したい」と強く心に決めていたといいます。

そのため、筆者たち3人のきょうだいは全員が地元を出て首都圏の私立大学へ進学。一番上の姉にいたっては、本人の強い希望で学費の高い美術大学に進学しました。その際、両親は教育ローンを組んで、その返済のため懸命に働いたそうです。

おわりに

サラリーマンと専業主婦で成立していた昭和の時代には考えられないほど、今では夫婦ともに働かないと、子育てをして生活をして将来の学費や老後資金を貯めていくことが難しくなっています。

親は一緒にいる時間が短いことで罪悪感や申し訳なさを抱きつつも、子どもに苦労をさせないように全力で働くものです。また、そうした親を身近に見て、その苦労や頑張りを理解している子どもも少なくないでしょう。

子どもを預けられないと働けないと嘆く親に対する「学校はいつから託児所になったのか?」「子どもは仕事をする親のお荷物なのか?」という批判は、家庭の事情を考慮しない極論ではないかと筆者は自身の体験から感じています。

【参考資料】
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金のご案内」(厚生労働省)
小学校等の臨時休業に対応する保護者支援の創設(委託を受けて個人で仕事をする方向け)」(厚生労働省)

富士 みやこ