新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、小中高校の一斉休校がスタートして早くも3週間超。そんな中、厚生労働省は会社勤めの保護者が一斉休校によって仕事を休んだ場合、正規雇用・非正規雇用を問わず日額8330円を上限に賃金を受け取れるよう、企業に助成金を支給する方針を打ち出しています。
一方、フリーランスや自営業従事者が子どもの世話のために休んだ場合は、国から直接、一律日額4100円が補償されることになりました。しかし、補償額が上記の企業助成金の半額である点で、不平等ではないかとの議論もあります。
いずれにしても、学校が休みになり預ける場所がない共働き家庭では、親が仕事を休まなくてはいけないケースも出てきます。そうした親の悲痛な声が報じられると、ネット上では「学校はいつから託児所になったのか?」「子どもは仕事をする親のお荷物なのか?」といった反応もあるようです。
では、預けられた子どもはどう思うのでしょうか。共働きの両親のもと、幼少期にさまざまな場所に預けられた筆者の経験を一例としてお話します。
毎日働き詰めの共働き夫婦のもとで育つ
筆者の両親は、夫婦で自宅に直結した店舗を経営する自営業。3人の子に加え、同居していた父方の祖母を含めた6人の生活のために必死に働いていました。後から知った話ですが、当時はお店の先代である祖父が遺した数千万円規模の借金もあったそうです。
店は朝8時に開店し、夜は19時まで開けていました。地域密着の店だったため、土日もお客さんから要望があれば店を開けたり、県外へ出張や営業に行ったりすることもしばしば。
そして基本的には両親2人で切り盛りしていましたが、母は合間に店を抜けて食事の支度や洗濯といった家事、子どもの送迎や学校のPTA、祖母の手伝いなど家のこと全般もこなしていました。とにかく生きるために休む間もなく働いていたのです。