母になって思うこととは…

そして今、Sさん自身も母になりました。子供に対し、いじめについてなんと言い聞かせているのか伺ってみました。

「私が言っても説得力はないかもしれませんが、子供が悪いことをしたり、されたりしたときは、必ずしっかり話し合ってどうしたらいいのかを確認しあっています。子供には正しいことを判断できるようになってほしいし、助けの求め方も覚えておいてほしいのです。私のようにならないよう、責任をもって育児しているつもりです」

Sさんのように、心にしこりを抱えていじめを起こしてしまう子供は多いのかもしれません。そのような子供を放置していて、いじめ問題は解決するのでしょうか。被害者をケアすることはもちろんですが、いじめ加害者の環境改善やメンタル面でのサポートをすることも、いじめ撲滅の大切なファクターなのかもしれません。

参考:文部科学省「いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)

古谷 梨子