自身の「いじめ行為」が問題化

小学校に上がったSさんは、気に食わないと思った子に対して、無視をしたり消しゴムを投げつけたりするようないじめ行為をするようになったといいます。当時は引っ越しが多かったせいか表沙汰になることがなく、自分の過ちに気づかないまま成長していきました。

しかし中学に上がったころ、いじめ行為が問題化。Sさんを中心とした数人が1人の女子生徒を無視し続け、不登校になってしまったのです。

「先生に呼び出されて話を聞かれましたが、私は彼女を殴ったり水をかけたりしていたわけではないので、何もしていないですとこたえました。そのときは、先生の言うままに謝罪の手紙を書いたのですが、正直納得していなかったです」

Sさんの謝罪を受け入れて、いじめられた女子生徒はまた学校に戻ってきたそう。しかしSさんがまたその生徒のことをいじめるようになると、今度はクラスが結束。いじめられた生徒を守り、Sさんに反省を促すようになったといいます。

「どうして私のときは誰も助けてくれなかったのに、この子のことは全員が守ろうとするのだろうと思うと、より一層腹立ちました。当時は服装も言動も荒れていましたね」

それからはクラスで浮いた存在になっていたというSさん。その後の進路は、クラスメイトが通わない遠方を選んだそうです。