政府よ、女子に投資を!

スコットランド政府は、完全無償化に2,400万ポンド(約32億円)の費用がかかるとしています。この税金の使い方に反対の人もいるかもしれません。しかし、女性への投資だと考えることもできるのではないでしょうか。

しっかりした生理用品が使えないことで学校を休む女子が多いのは、前述の調査や他の調査でも明らかになっています。毎月休んでいれば、勉強が遅れてしまい、将来的にも不利なことになり得ます。学生だけではなく、大人の女性でも仕事に支障をきたしてしまう事にもなります。

生理が女子の勉学の邪魔になったり機会を奪ってしまうことで、女性の経済的な自立を妨げたり、貧困から抜け出せない原因になってしまうのは非常に残念です。そしてそれは社会全体の損失でもあります。女性の労働力を有効に活用することは、企業や国の生産力を高め、税収入も増えるわけです。

IMFの研究記事(※4)では、政府が女性の教育や健康に投資することは大きな利益を生むことになると指摘しています。例として、ルワンダでは1994年の虐殺の後に就任したポール・カガメ大統領の女性支援策で、労働力の54%を女性が占めるようになり、ウガンダの経済を大幅に成長させ、2010~2015年の間には平均収入が2倍以上になったことを取り上げています。

「大げさだ」とか「発展途上国じゃあるまいし」と思われるかもしれませんが、最近は日本でも女性の貧困が問題視されています。特に日本では生理は「隠すべき」話題なので、貧困女性が生理で経済的にも苦しんでいることなど、表ざたになるようなことはありません。

日本が無償提供してくれるなんて遠い話かもしれません。でもせめて非課税、いや、減税でもいい。それだけでも助かる女性は多いことでしょう。

【参考】
(※1)“Free period products in Scotland”The Economist
(※2)“The average woman spends around £5,000 on period products in a lifetime, shows study”METRO
(※3)“PLAN INTERNATIONAL UK'S RESEARCH ON PERIOD POVERTY AND STIGMA”Plan International UK
(※4)“Invest in Women and Prosper”International Monetary Fund

美紀 ブライト