子供達には緊急時には何が起きても不思議ではないことを言い聞かせ、「お友達が新しい学校にすぐ溶け込むことを願おう」という言葉をかけるのが精一杯でした。
ニュース速報を見て涙を流した6年生
一斉休校の措置で一番つらい思いをしたのは卒業を控えた子供達なのは間違いないでしょう。休校に入って3日目、近所のスーパーで知り合いのママ、Bさんに偶然会いました。
6年生の娘さんを持つBさんに娘さんの様子を聞いてみると、2月27日の夕方に流れたニュース速報を見て娘さんが泣き出したそうです。すでに卒業式までカウントダウンが始まっていたのに、突然カウンターがゼロになったのですから涙を流すのも無理のないことです。
もしかしたら最後のランドセル姿になるかもしれないと感じたBさんは、すぐに近所に住むママ友達に連絡を取りました。翌朝、娘たち仲良しグループの登校写真を撮り、心の中で「なんとか数日だけでも学校に通えますように」と願ったものの叶わぬ夢となりました。
また、卒業式では保護者の出席が見送られた話を筆者も聞いてはいましたが、現実はそれを上回る事態になっていました。卒業生1人1人の証書授与は行われずクラスの代表に渡され、合唱なども場合によっては行わない可能性があるというのです。
Bさんは式の内容が大幅に省略され、式終了後はすぐに解散になると教えてくれました。Bさんは別れ際に「例年は卒業式の後も残って学校のあちこちで写真を撮っているけど、今年は無理ね」と寂しげに呟きました。