金銭的不安と子どもへの想いで悩む日々

そうした状況を見かねた百合さんはパートをしていた工場で契約社員にしてもらい、夜勤もこなすように。「家で夫の顔を見ているより、職場にいたほうがマシだし家計の足しになるので、残業もこなします。働きに行けば、不安が和らぐような気もしますし。」

しかし、夜勤の時に子どもが「行かないで」と泣いて縋ってくる時は心苦しくなるよう。「できるなら、そばで一緒に眠ってあげたいけど、そうしていたら食べていけないし、私の心も不安で押しつぶされてしまうから…。」

そんな百合さんの心境も知らず、現在も賢治さんは自分のためにお金を使い続けているよう。独身のようなお金の使い方をしている賢治さんの目に今の百合さんの状況や子どもの姿は一体どう見えているのでしょうか―。

古川 諭香