欧米諸国で自己過激化するイスラム移民(全てではない)によるテロに、各国は苦慮してきた。国際テロ組織アルカイダはインターネットをフルに活用し、イスラム国はフェイスブックやツイッターなどSNSを活用し、世界中の信奉者たちに欧米への攻撃を呼び掛けた。

そして現在、国際社会はCOVID-19という新たなグローバル課題に直面している。グローバル化社会は、ヒト、モノ、カネ、情報の国際移動を加速化し、多くの利便性と恩恵を我々にもたらした一方、こういったテロや感染症が世界的に拡散するというリスクを高めてしまった。

企業経営への多大な影響

テロと感染症は、学問的には違う領域である。テロの領域では、2011年以降、中東のシリアで内戦が深刻化し、それが世界に衝撃を与えたイスラム国の台頭に繋がった。

イスラム国などのイスラム過激派には、世界100か国あまりから3万人あまりの外国人戦闘員が流入したと言われ、欧米や東南アジアなどでは、イスラム国などに参加したいわゆる帰還戦闘員によるテロの脅威が続き、現地当局は依然として強く警戒している。

単純に比較はできないが、イスラム国問題もCOVID-19問題も、リスクが拡散して世界100カ国に影響を与えたという部分では共通している。

しかし、テロは思想、感染症はウイルス、両方とも見えない動きだ。グローバル化社会がもたらすメリット、デメリットを、我々は改めて考えてみるべきだろう。その影響は、企業経営にも多大な影響を及ぼす。

和田 大樹