コロナショックで世界は曲がり角に? グローバル化社会がもたらした危うさ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威を振るっている。日本経済新聞がまとめた統計によると(3月8日現在)、世界全体での感染者数はついに10万人を超え、犠牲者数は3500人に上っている。

各国の感染者数も、中国は8万695人、イタリアが7375人、韓国が7041人、イランが5823人、フランスが949人、ドイツが795人、英国が202人、米国が213人、オーストラリアが62人、インドが31人、マレーシアが83人など。

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また、感染はブラジルやアルゼンチン、メキシコやドミニカ、アルジェリアやセネガル、南アフリカやアイスランドなど各地域に広がっている。

グローバル化がもたらしたリスクの拡散

筆者は、テロ問題を中心とする国際安全保障の研究者/実務家であるが、既にこの感染症はパンデミックであり、医療の領域で第一に扱われるべきであると思うと同時に、安全保障上の問題であると強く感じる。

現在、各国ともいかに国内での感染拡大を防ぐか、感染者を治すかに尽力を注いているが、筆者は1つのことを考える。それは、冷戦以降拡大した国際社会のグローバル化である。

周知のように、冷戦終結以降、超大国としての米国を中心に、経済や社会、文化の領域で国境の壁は下がり、政治や経済分野でのグローバル化が急激に進んだ。欧州においては、共通通貨ユーロが誕生し、シェンゲン協定のもとパスポートなしでの行き来ができるようになった。

そして、21世紀以降、通信技術の発達はグローバル化の正と負の側面を我々に強く提示することになった。たとえば、9.11後のイスラム過激派によるテロの増大は、国際社会に「ネット規制とプライバシー権の問題」でいかに対処するかという難題を突き付けた。

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OSCアドバイザー/清和大学講師
岐阜女子大学特別研究員、日本安全保障戦略研究所(SSRI)研究員、日本安全保障・危機管理学会主任研究員などを兼務。
専門分野は国際政治学、安全保障論、国際テロリズム論。日本安全保障・危機管理学会奨励賞を受賞(2014年5月)、著書に『テロ、誘拐、脅迫 海外リスクの実態と対策』(同文館2015年7月)、『「技術」が変える戦争と平和』(芙蓉書房2018年9月)など。研究プロフィールはこちら