ゼロ・ゼロ投信がもたらす変化

今後、投資信託を運用したり販売したりする金融機関にとっては、コモディティ化で収益性がどんどん低下してきていますので、厳しい環境には違いありません。

一方、投資信託を始めとする金融商品に差がなくなってくると、顧客(=読者)もしっかり金融知識を身に付けて、何が得で何が損かを認識する必要が出てきます。それに対して、金融機関はお客様の資産形成に的確なアドバイスをすることが本来のビジネスになってくるでしょう。

図表1は米国での大手運用会社の運用コスト引き下げ競争の一端ですが、米国ではいまやバカ高い手数料を払って投資信託を購入しようという一般消費者はほとんどいません。

手数料ゼロ化をマーケティング・ツールとして顧客囲い込みの道具にするのではなく、購入手数料0%・信託報酬0%の流れが投資信託全般に広がることを期待しています。

図表1:米国フィデリティ/米国バンガードのインデックスファンド最低投資額・運用管理費用比較

出典:fidelity.comより筆者作成

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太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)