厚生年金や国民年金はいくらもらえる?

冒頭で述べた「公的年金の受給開始時期の拡大」についてちょっと補足しましょう。
これは具体的にいうと、現行60歳から「70歳」とされている受給開始時期を、「75歳」まで延長させるということです。

より長く働いて年金受給開始時期を遅らせた場合、従来よりも年金額を増やすことができる、という利点があるようです。

しかし、何歳まで働くかは、健康状態や価値観などによって人それぞれでしょう。老後に必要なお金も、家族構成や住居の形態によって大きく変わってきます。

そこで、まず、老後資金に必要な金額をざっくりと掴んでおきましょう。

もらえる年金の金額をイメージする

厚生労働省が公表している「厚生年金保険・国民年金事業年報」(2017年度)から、民間企業の会社員が含まれる厚生年金保険(第1号)の受給権者数(1590万人、うち男性1062.9万人、女性527.0万人)のデータを見ていきましょう。

このカテゴリに該当する人の平均年金月額は、14万4903円となっています。男女別に見ると、男性が16万5668円、女性が10万3026円という結果でした。

また、国民年金・老齢年金の平均額は、男性が5万5923円、女性が5万200円となっています。夫婦それぞれがいくら年金をもらえるのかを試算しておき、老後の収入面を予測しておきましょう。