トイレットペーパーが突然品不足となりました。それは、人々が合理的に行動した結果なので、再発防止は容易ではない、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は考えています。
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経済を理解するためには、暖かい心と冷たい頭脳が必要です。本稿では、主に冷たい頭脳を使いますので、読者の暖かい心が立腹するかもしれませんが、これを機に読者も冷たい頭脳を訓練していただければ幸いです。
以下、「本稿掲載時までに事態が沈静化していると誰も読んでくれない」と懸念しつつも、そうなることを祈りながら記します。
トイレットペーパーが突然品不足に
新型肺炎が流行し、人々がマスクを付けるようになりました。したがって、マスクが不足することは容易に理解できます。そして、マスクが不足しているという情報が広まると、「少し多めに購入しておこう」という消費者が増え、ますます不足する、ということが起きているようです。
それと比べると、トイレットペーパーの不足には意外感があります。新型肺炎がトイレットペーパーの消費量を増やすわけではないからです。
トイレットペーパーが不足する、という誤った噂が広まり、それを信じた人々が「通常より多めに購入しておこう」と考えたため、実際に品切れになり、それを見た消費者たちが不安になり、「さらに多めに購入しておこう」としたのでしょう。