「トイレットペーパーを買い急ぐのは愚かな人」だと言い切れない理由

トイレットペーパーが突然品不足となりました。それは、人々が合理的に行動した結果なので、再発防止は容易ではない、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は考えています。

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経済を理解するためには、暖かい心と冷たい頭脳が必要です。本稿では、主に冷たい頭脳を使いますので、読者の暖かい心が立腹するかもしれませんが、これを機に読者も冷たい頭脳を訓練していただければ幸いです。

以下、「本稿掲載時までに事態が沈静化していると誰も読んでくれない」と懸念しつつも、そうなることを祈りながら記します。

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トイレットペーパーが突然品不足に

新型肺炎が流行し、人々がマスクを付けるようになりました。したがって、マスクが不足することは容易に理解できます。そして、マスクが不足しているという情報が広まると、「少し多めに購入しておこう」という消費者が増え、ますます不足する、ということが起きているようです。

それと比べると、トイレットペーパーの不足には意外感があります。新型肺炎がトイレットペーパーの消費量を増やすわけではないからです。

トイレットペーパーが不足する、という誤った噂が広まり、それを信じた人々が「通常より多めに購入しておこう」と考えたため、実際に品切れになり、それを見た消費者たちが不安になり、「さらに多めに購入しておこう」としたのでしょう。

参考記事

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
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(雑誌寄稿等)
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