この雰囲気は、道内一斉停電の時にも感じたこと
実は、同じような雰囲気を以前にも感じていたことを思い出しました。それは2018年に発生した「北海道胆振東部地震」による、道内一斉停電の時です。
丸2日間の停電で、街中は信号すら停まっていました。お店もレジが動かないため、閉店していました。
それでも停電復旧前に、近所のドラッグストアが開店してくれました。筆者の家はオール電化のため、せめて子ども達にご飯を作ろうと、卓上コンロとガスボンベを買いに向かいました。
お店に着くと長蛇の列でした。見ると、店先に会計場所を設け、店内にはお客さんを入れないようにしていました。
店員さんが店先で購入品を聞き、店内に取りに行く。そして、それを店先で電卓を使って会計…という方法でした。そのため、通常よりもとても時間が掛かっていたのです。電気が通っていないのですから、レジも動かず店内も真っ暗。当然と言えば当然の対応なのでしょう。
しかし、その方法は購入者側からすれば、不便極まりないと言えるでしょう。北海道の9月ですから猛暑とは言いませんが、それでも日差しは強く、長時間外で過ごすにはなかなか厳しいものがありました。
それでも「店の中に入れろ!」「早くしろ!!」という人は、誰一人としていなかったのです。
購入品も、特に店側が定めなくても、一部の品を大量に買い占める…という人を見ることはありませんでした。また、幼い娘を連れていた筆者に「小さい子がいるから」と順番を譲ってくれる人もいました。
当時、まだいつ電気が復旧するとも分からない、みんなが不安な時でした。そんな時でも、自分が「良い」と思ったことに向き合う姿勢を崩さない人達を見て、とても心強く思ったのです。
このような姿勢が、今のコロナウイルスの状況と大変似ているのでは…と感じたのでした。