※本記事は2020年2月29日に執筆しています。

現在、日本国民の関心は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」でいっぱいです。いえ、日本国内だけではなく、全世界の関心と言えるでしょう。

日本国内で一番発症者数が多いのは、北海道と報道されています。筆者はそんな北海道に、子ども3人と共に暮らしています。子ども達の学校・幼稚園が長期間のお休みに入り、外出すらままならない…たしかに新型コロナウイルスの感染拡大とともに、いつもの日常とは違った不自由な日々を送っています。

ただ、テレビの報道やSNSで取り上げられている状況と、実際に過ごす自分の現状とは大きな差があるように感じています

筆者個人が見ていることが全てとは言いません。あくまで一北海道民の意見でありますが、今の生の状況をお話させて頂きたいと思います。

温度差を感じる、テレビやSNSと周囲の状況

筆者が住んでいるのは、北海道道東地区です。札幌市とは約300km離れており、北海道の中心地とは距離のある市部で暮らしています。

札幌市内で新型コロナウイルス感染者が出たのは、2月14日のことです。その後、2月27日からの北海道内公立小中学校一斉休校まで、対応は本当にあっという間でした。

その中で私が印象的だと思った点は、教育現場の先生方だけではなく、保護者の方々もけっして大騒ぎすることなく冷静に受け止めていた…という点です。

市内感染者が出てから休校になるまで、スーパーでママ友とバッタリ出会って立ち話したり、幼稚園の本年度最後の役員会があって10数人の保護者の方々との会合の場に出向いたりしました。

その中で、やはりコロナウイルスの件が話題として上ることはありましたが、例えば「新たな感染者が出たらしい」とか「〇〇の病院で感染者が出たらしいよ」というような、噂レベルの話を風潮する人はいませんでした。

そして、そんなリアルでの感覚のまま、テレビやSNSを見ると…どうしても温度差を感じてしまうのでした。北海道はまるで破滅に向かっているかのような…そんな雰囲気すら漂う、ワイドショーの報道やSNSでの盛り上がり方。本州にいる親戚・友人・知人らから「大丈夫?」と連絡がありました。

この、自分には手が届かない世界での盛り上がり方と、実際に目の前にしている現場での温度差を感じずにはいられなかったのです。

たしかに今、身近なスーパーやドラッグストアではマスクを入手することができません。ですが、トイレットペーパーは通常と同じように購入することができます。買い物に行っても、不用意に買いだめしている人に出会うことはありません。

この雰囲気は、道内一斉停電の時にも感じたこと

実は、同じような雰囲気を以前にも感じていたことを思い出しました。それは2018年に発生した「北海道胆振東部地震」による、道内一斉停電の時です

丸2日間の停電で、街中は信号すら停まっていました。お店もレジが動かないため、閉店していました。

それでも停電復旧前に、近所のドラッグストアが開店してくれました。筆者の家はオール電化のため、せめて子ども達にご飯を作ろうと、卓上コンロとガスボンベを買いに向かいました。

お店に着くと長蛇の列でした。見ると、店先に会計場所を設け、店内にはお客さんを入れないようにしていました。

店員さんが店先で購入品を聞き、店内に取りに行く。そして、それを店先で電卓を使って会計…という方法でした。そのため、通常よりもとても時間が掛かっていたのです。電気が通っていないのですから、レジも動かず店内も真っ暗。当然と言えば当然の対応なのでしょう。

しかし、その方法は購入者側からすれば、不便極まりないと言えるでしょう。北海道の9月ですから猛暑とは言いませんが、それでも日差しは強く、長時間外で過ごすにはなかなか厳しいものがありました。

それでも「店の中に入れろ!」「早くしろ!!」という人は、誰一人としていなかったのです
購入品も、特に店側が定めなくても、一部の品を大量に買い占める…という人を見ることはありませんでした。また、幼い娘を連れていた筆者に「小さい子がいるから」と順番を譲ってくれる人もいました。

当時、まだいつ電気が復旧するとも分からない、みんなが不安な時でした。そんな時でも、自分が「良い」と思ったことに向き合う姿勢を崩さない人達を見て、とても心強く思ったのです。

このような姿勢が、今のコロナウイルスの状況と大変似ているのでは…と感じたのでした。

教育現場の先生方に感謝

筆者の子達は、中学2年生・中学1年生・幼稚園年少の3人です。卒業などの節目の年には該当しないからでしょうか。今回突然の長期間休校・休園となっても、大きく動揺することなく過ごしています。

ただ、この落ち着いた態度も、休校・休園になる前に先生方がよくよく話してくださったからではないか…と思っています。

中学2年生の長男は、学校から帰宅した時「必要以上に怖がることはない。俺たちの年代は特に」と言っていました。ですが、つい忘れてしまう妹にちゃんと手洗いうがいをやるように促してくれます。

中学1年生の次男は、「俺たちは外に出たらダメだから。大変だけど、買い物は母ちゃんだけでヨロシク」と言って、私が買い物に行く際には末娘のお世話を買って出てくれると言っていました。

幼稚園年少組の末娘は、「明日からしばらく幼稚園お休みなの。次にお友達と元気に会うためなんだよ」とお話してくれました。

それぞれの子が今回の騒動について、自分なりに受け止めていることを感じます。これも、関わって下さっている先生方が無駄に誇張したり、逆に軽視することなく、真実と共に心得ておくことをしっかりと伝えて下さったからだと思っています。

SNSでは『中高生なんて休みだと思ったら、外に遊びに行っちゃうよ』という意見もたくさん見ました。ですが、我が子そして我が子を通じて見る他の子ども達から感じるのは、子ども達は子ども達なりにしっかりと受け止めているということです

不用意に外出している子はほとんど見かけることはありません。0ではありませんが、親が同伴せずに子ども達同士だけで出掛けている子は、少なくとも筆者は見掛けることはありませんでした。

噂に惑わされないで

現在、少なくとも筆者が見る北海道内の一般市民は、けっして過剰に反応することなく、淡々と過ごしていると感じています。

医療現場や、実際に感染者が発生した企業などは、対応に追われとても大変だろうと想像しますが、直接関係ない人までが不安にかられて無駄に動くことはないと感じています。

報道やSNSで流れる情報は、とても大事だと思います。情報は知識です。そのためにも、情報を得る行為は必要だと常々思っていますが、それを精査しどのように活かしていくかは、個人の裁量であると思っています。

ですので、テレビを見ることもSNSを活用することも、おおいに結構と思います。どうか噂に流されず、その情報を口にした時には自分にもちゃんと責任が生じることを認識した上で、上手に活用して頂ければと思っています。

【参考】
新型コロナウイルス感染症の道内の発生状況」北海道
 

白藤 さつき