今から代替地開催への変更は不可能に近い

まず、代替地での開催は可能でしょうか?

最近、ロンドン市長選の候補者が代替開催の実現を公言したというニュースが流れました。ただ、この候補者の本意は別として、開幕まで半年を切ったこの時期に代替開催を選択するのは不可能と言っていいでしょう。五輪の開催には途方もない準備期間が必要です。ロンドンのように開催経験があってインフラが整っているとしても、あまりに遅すぎます。

また、ロンドンに限らず、過去の開催地の競技施設の一部は、廃棄や使用目的変更等により既に使用できなくなっているはずです。いずれにせよ、代替地開催の可能性は極めて低いと断言できます。

簡単そうに見えて簡単でない一定期間の開催延期

では、一定期間の開催延期はどうでしょうか?

夏季実施競技ということを勘案すれば、半年延期(例えば、2021年1~2月に実施など)は有り得ません。考え得るのは1年延期ですが、これは不可能とは言いませんが、非常に高いハードルとなります。

大きな理由の1つとして、2021年は既にいくつかの大きなスポーツイベントが予定されていることが挙げられます。具体的には、世界陸上、世界水泳、ハンドボール世界選手権などですが、各競技団体(世界陸連など)が五輪のために大会開催を見送ることは考え難いのが実情です。