COVID-19の影響拡大で現実味を帯び始めた東京五輪の開催中止や延期

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による影響の拡大が全世界で続いており、一向に収束の兆しが見えません。さらに、国内では2月26日に「今後2週間はイベントの中止や延期、規模縮小を政府として要請する」という政府指針が公表されたことを受け、スポーツ大会やコンサートのみならず、卒業式や入学式などにも中止・延期が及んでいます。

中でも、多くの観客動員が見込めるプロスポーツの試合は軒並み延期され、東京マラソンを始めとして一般参加者の中止に踏み切った大会も数多くあります。

そして現在、徐々に現実味を帯びてきたと言われているのが、2020夏季オリンピック・パラリンピック東京大会(以下、東京五輪)の開催延期や中止です。開幕まで既に半年を切っているこの時期に、本当に開催中止や延期があり得るのでしょうか?

過去に開催中止となった夏季五輪は3回、代替開催は冬季五輪で1回のみ

まず、過去の事例を振り返りましょう。夏季五輪が開催中止になったのは以下の3回です。

  • 1916年ベルリン大会(ドイツ) 理由:第1次世界大戦
  • 1940年ヘルシンキ大会(フィンランド) 理由:第2次世界大戦
  • 1944年ロンドン大会(英国) 理由:第2次世界大戦

これを見て“あれ?1940年に中止になったのは東京五輪のはずだが…”と思った人が多いかもしれません。確かに、1940年は東京五輪の開催が決定していましたが、当時の日中戦争が激化したことを受け、1937年に(自ら)開催を返上しました。その後、ヘルシンキが代替開催地に決定したのです。

結果的にはヘルシンキ大会も中止になりましたが、正式な記録上は「ヘルシンキ大会の中止」となるのです。