実現するなら2020年通常国会がカギ?

2017年から「グレーゾーン解消制度」により明確に合法となった「中長距離相乗りマッチングサービス」ですが(※4)、当時は「安全性に問題がある」との理由からタクシー業界で大反発が起こりました。

ただし、今回提言された「日本版ライドシェア」は、ドライバーをタクシー事業者が管理・運用することが前提であるため、タクシー業界から大きな批判が起こる可能性は低いでしょう。

政府は、2020年の通常国会において、タクシー事業者等が自家用有償旅客運送を受託あるいは実施主体に参画する場合の法制を整備しようとしています。経済同友会は、「今度こそ、真に利用者本位の制度とすべきである」と政策提言で主張しており、「日本版ライドシェア」が実現するか否かは2020年の国会がカギを握っていると言えます

タクシードライバー不足の解消やタクシー利用者にとっての利便性の改善、さらに副業の幅が広がる可能性を秘めた「日本版ライドシェア」ですが、本当に実現するのでしょうか?
今後の政府の動きが注目されます。

【参考】
(※1)「「日本版ライドシェア」の速やかな実現を求める-タクシー事業者による一般ドライバーの限定活用-」経済同友会
(※2)「米配車大手ウーバー 五輪見据え東京でタクシー会社と提携協議」NHK NEWS WEB
(※3)「中国版ウーバー「滴滴」、急成長するも規制強化で「タクシー会社」に逆戻りか」ダイヤモンドオンライン
(※4)「中長距離相乗りマッチングサービスに関わる道路運送法の取り扱いが明確になりました~産業競争力強化法の「グレーゾーン解消制度」の活用~」経済産業省

鈴木 太陽