「日本版ライドシェア」海外との違いは?
経済同友会が提言した「日本版ライドシェア」は、日本に先行してライドシェアサービスが導入されている国・地域で表面化した「課題・問題点」を未然に防ぐ対策が施されています。
例えば、米国ニューヨーク市では、2015 年には1万2,500人だったライドシェアサービスのドライバーが2018年7月時点で8万人に激増し、交通渋滞や低賃金のドライバーを生み出しました。
以上を踏まえ、「日本版ライドシェア」では供給過多とならないよう「①都心部においては一時的にタクシー需要が増大する通勤時間帯(例:午前7~9時)に限り、②恒常的にタクシーの供給が不足している地方都市等において」との様に、地域や時間帯に限定してライドシェア事業を解禁すべきと主張しています。
また、中国では急速にライドシェアサービスが普及したことから、いち早く法規制が行われましたが、2018年に「滴滴出行(ディディチューシン)」のライドシェアサービス「順風車(ヒッチ)」利用客がドライバーに殺害される事件が発生するなど、事業者のずさんな安全対策の実態が明らかになりました。このことを契機に規制が厳格化されてしまいました(※3)。
一方で「日本版ライドシェア」では、タクシー事業者がドライバーの研修・検査および車両の点検・管理等に責任を持つことで、より安心・安全な運用を実現しやすくします。
さらに、「日本版ライドシェア」では原則として「タクシー配車アプリ」を活用し、ドライバーと利用者による相互評価制度や顔認証制度を設けることで安心・安全の担保を図り、また運行データを利用して観光客等の潜在ニーズを発掘し地域の活性化につなげるとともに、技術革新や新たなビジネスモデルに即したルールづくりを目指します。