月次の既存店売上高でも無類の強さを発揮
スシローの真価は既存店の安定成長にあります。実際、2017年11月から2020年1月まで、27カ月連続で既存店売上高の対前年同月比プラス成長を達成しています。
少子高齢化社会の日本で、新規出店分の数字を加味せず既存店のみで2年以上も増収を続けるチェーン店は珍しいといえるでしょう。
一方、くら寿司の既存店売上高を見ると、2019年10月期のプラス成長月は5月のみと、既存店の苦戦は明白です(2020年10月期は11月と1月がプラス成長)。
くら寿司は海外子会社が米国ナスダック市場に上場するなど、海外事業に注力していましたが、月次売上の状態からは既存店へのテコ入れタイミングが来ていると考えることができます。
カッパ・クリエイトは損益計算書ではスシローに大きく水をあけられていますが、2020年3月期の既存店売上高では7月を除き全ての月でプラス成長。2019年3月期はプラス成長月とマイナス成長月が半々でしたが、今期は堅調に推移しています。
こうして競合チェーンと比べると、既存店のみでの安定した成長性がスシローの強さの源泉といえるでしょう。