訪日外国人観光客へ急速に人気が高まる「お花見」

ところで、日本伝統の春の行事である「お花見」は、近年は外国人にも大人気となっています。実際、欧米地域や一部アジア地域からの訪日観光客数の推移を見ると、3月と4月の訪日客の増加トレンドが強まっており、とりわけ、4月の増加が顕著になっています。

具体的に見てみましょう。以下に示すのは各地域からの訪日観光客数で、1年間(12カ月)に占める4月の構成比の2012年→2019年での変化、及び、同じ7年間における4月の平均増加率です。なお、カッコ内は年間合計(1~12月の平均増加率です。

  • 欧州 9.9%→12.1%、+17.7%増(+14.4%増)
  • 北米 9.1%→10.0%、+15.5%増(+13.9%増)
  • オセアニア 8.6%→11.2%、+21.3%増(+16.7%増)
  • アジア 9.3%→8.8%、+21.8%増(+22.8%増)

このように、欧米やオセアニア(主に豪州)からの訪日観光客数は、明らかに4月が他の月以上の大幅増加となっていることがわかります。この4月の大幅増加トレンドの理由は様々あるかもしれませんが、最大の牽引役の1つが「お花見」だということは容易に推測できましょう。

実際、日本の満開となった桜を見に行く観光ツアーは増加の一途を辿っています。これら地域の外国人は、日本の桜の開花時期が気になっているかもしれません。

一方で、訪日観光客で最大構成比(約86%)を誇るアジア地域では、この傾向が強くは見られていません。しかしながら、アジア諸国からの訪日観光客の傾向を見ると、4月は最需要月の1つ(残りは7月と12月)です。彼らの目的の1つが「お花見」であることも確かと言えましょう。