COVID-19の影響で外国人観光客は大激減へ

さて、そのインバウンド最大需要の1つでもある「お花見」ですが、今年は新型ウイルス肺炎(COVID-19)の影響により、大変厳しい状況に陥っています。

前述した開花予想に基づけば、満開のお花見シーズンは3月下旬~4月初旬となります。しかしながら、この時期にCOVID-19の影響が消失している可能性は極めて低いと言わざるを得ません。消失どころか、緩和されている可能性も低いでしょう。

そもそも、このお花見シーズンに訪日する外国人は、遅くとも2月中旬にはホテルや航空チケットの予約を入れるのが普通です。そうです、まさしく、本来ならば今現在が予約受付の最盛期なのです。この時期に予約を取らないならば、仮に、COVID-19の影響が奇跡的に消失したとしても、訪日は困難だと思われます。

“インバウンド激減危機”は桜の開花とともに本格化する

先般、中国の春節休暇による訪日観光客が激減して、日本国内のホテルなど宿泊施設、観光バス、飲食店等の様々な方面に多大な影響が出ました。小規模事業者の中には、経営危機に陥ったところも少なくないと聞きます。

しかし、訪日観光客の統計データから見れば、お花見シーズンの激減の影響の方がもっと大きいことが容易に推察できます。

決して不安を煽るわけではありませんが、2月上旬(春節休暇)のインバウンド激減はまだ“序の口”だと考えられます。“インバウンド激減危機”が本格化するのは、春の訪れを感じる桜の開花がその合図になると言えましょう。

葛西 裕一