一見何の変哲もない家族でも、実は深い悩みを抱えている──ということは、意外と多いもの。あなたが知らないだけで、すぐ近くに大変な日々を過ごしている家庭が存在しているかもしれません。

今回は、筆者のごく身近な存在であった叔父一家にスポットを当てます。子どものころからよく知っているこの家族の実情を知ったときには、たいへん驚きました。自分の親族はみんなそこそこ平穏に暮らしているのだろう、という思い込みが大きく崩れた瞬間でした。

ごく普通の家族だった叔父一家

今回お話しする叔父の一家ですが、筆者が子どもだったころは、別段変わったところも感じられないふつうの家族でした。

夏休みや冬休みには、両家の子どもたちが集まってお泊りをしたり、BBQ大会を開いたり。お正月には両家勢ぞろいするのが恒例で、大人たちはお酒を飲みながら、子どもたちは外で凧揚げなどをしてそれぞれ楽しんでいました。他にも親戚がいましたが、特に叔父一家とは仲が良く、何かあればいつも一緒に過ごしていたような気がします。

筆者が中学生くらいになると、習い事と部活の両立で忙しくなり、会う機会は減っていきましたが、それでも年に数回は顔を合わせ、近況報告などをしあっていたものです。小さいころから一緒にいる時間が長かったせいか、会う機会が減っていっても、気心の知れた親密な距離感をずっと同じように感じていました。