人には、それぞれ得手不得手があります。筆者の父親は、緻密な作業をコツコツとこなすことが得意。しかし、自分のペースを崩されることが苦手なタイプの人間です。そして父が苦手とする最たるものが“子育て”なのでしょう。
なぜなら、予測不能な事態が次々と起こるから。子どもの行動が自身の許容範囲を超えた瞬間、制御不能な状態に陥ってしまうのだろうと考えています。
父の個性を尊重しつつ、わが子を守るために決めたこと
父は子どもが嫌いなわけではありません。前述のとおり、孫たちと遊ぶ計画を立てたり、おもちゃを買い与えたり、冗談のうまいユーモラスな一面もあります。しかし、自我が芽生え、行動範囲が広がり、好奇心旺盛かつ言葉が発達途上にある時期の子どもへの接し方が致命的にわからないのだと思います。
筆者の家族は現在も、長期休暇を利用して実家へ帰省しています。しかし、やんちゃ盛りの子どもたちが一気に押し寄せるとキャパオーバーし、突如大声を張り上げたり、家を出て行ったりしてしまう父。そんな父のパーソナルな部分は今後も変わらないでしょう。
そのため、筆者の夫をはじめ妹家族全員に、父の子どもに対する言動の特徴を伝えています。そして、和やかに遊んでいるように見えても何気ないことで怒りが沸点に達することがあるため、決して父と子どもたちだけにしないこと。誰かがいつも側にいて、父や子どもたちと一緒に過ごすことを決めました。