#OscarsSoWhite の流れを断ち切る多様な受賞作
2000年代前半頃まで、アカデミー賞を決めるアカデミー会員のほとんどを白人男性が占めていたと言われています。さらに2015年、2016年と2年連続で俳優賞にノミネートされた俳優が白人だけだったことから、アカデミー賞は「白すぎるオスカー(#OscarsSoWhite)」と揶揄されました。
それを受け、ウィル・スミスの妻で俳優でもあるジェイダ・ピンケット・スミス氏や、映画監督のスパイク・リー氏がオスカーをボイコットすると発言。社会的にも痛烈な批判を受けたことから、それ以降のアカデミー賞では人種、性別、年齢など多様性を反映していくことになります。
実際に2019年のアカデミー会員の招待者を見ると、女性の割合は50%と過去最多、有色人種の割合は29%、出身国は59カ国となっています。このような背景もあり、ついに外国語映画が作品賞を受賞することになったのではないでしょうか。
さらに今年のアカデミー賞は、R-15指定の作品ながら悪役を見事に演じた怪演が評価され『ジョーカー』のホアキン・フェニックス氏が主演男優賞を初受賞したり、制作会社として動画配信サイトのNetflixが、その他の大手映画会社を上回る24部門にノミネートされるなど、異例とも呼べる受賞・ノミネートが相次ぎました。この多様性は社会的な批判からの転換を経て、より純粋に作品自体の魅力や話題性が評価されるようになった証だと考えられます。