独身時代はウジウジ悩んだり、一つの問題を何日も引きずることが度々あった筆者。出産して9年経ち、気付けば30分もしないうちに気持ちの切り替えができるようになっていました。

改めて立ち直るまでの思考や行動を振り返ると、それは育児のおかげで手に入れた力であることがわかったのです。

あえて考えない、感じないで動く

失敗したり、自分の至らなさに落ち込んだり、嫌なことがあったり、理不尽な思いをしたり…そうしたとき、独身時代は長く深く落ち込みました。感情にのみこまれる一方で、気持ちの立て直し方も分からず、理性はストップ状態に。

結婚から10年経ち、現在育児を始めて丸9年、3児を育てています。

気付けば「自分の感情」を一歩引いた立場から観察したり、理性を働かせたり、わりと早く気持ちを切り替えるクセが身に付いていました。その変化をもたらしたのは、日々の育児で起こるささいな事柄です。

たとえば、食事時。リビングとキッチンを何往復もし、「遊んで~」とせがまれながらやっと作った料理を、一瞬で子どもにこぼされることは特に1~2歳のうちは日常茶飯事です。

子どもに食事介助が必要なため、自分はろくに食べておらず、お腹はペコペコ。最初の頃は疲れていて空腹な状態でさらに増える家事育児に、肩を落としたもの。うまく切り替えができず、不機嫌になることもありました。

しかしこれを何度も繰り返していると、「落ち込まないでサッと片付けるのが一番いい」ことを学びます。

落ち込むとさらに労力を使いますし、落ち込んだ親を見る子どもも暗くなるし、時間ももったいない。それならサッと片付けて、また食事に戻った方がかかる労力も少なく、全員が気持ちよいのです。

こうして「ご飯をこぼされる」だけでも、気持ちの切り替え方を学びました。