過去はチケット値上げ後「株価上昇」でも新型コロナウイルスが懸念材料?
ディズニーランドの入場券値上げは、オリエンタルランドの株価にどのような影響を与えるのでしょうか。過去6年間の推移を見てみましょう。
2015年1月29日付の日本経済新聞で「ディズニーランド、入場全券種値上げ オリエンタルランド発表」と報じられました(※5)。その後、ディズニーランドの入場券は6年間にわたって合計4回(消費税増税分を含む)の値上げの発表が行われてきました。
しかし、オリエンタルランドの2015年1月末の株価と比較すると、現在(2020年2月6日)は2倍以上まで株価が上昇しています。
過去の値動きから見ると、ディズニーランドの入場料が値上げされてもオリエンタルランドの株価に悪影響は無いように見えます。むしろ、株価は上昇、売上高も毎年上昇しています(純利益は2018年のみ前年比で減益)。
ただし、2020年3月期末決算は、2018年のディズニーランド35周年イベントの反動により入場者数が減少する可能性や、雇用制度の見直しにより減益が見通しとして示されています(※6)。
また、未だに収まりそうな様子がうかがえない「新型コロナウイルス感染症」もディズニーランドには大きな打撃を与えそうです。
オリエンタルランドは1月31日、新型コロナウイルスの拡大を懸念してキャラクターの着ぐるみが来場者とハイタッチなどで触れ合う演出機会を減らすと発表しました(※7)。
また、新型コロナウイルスの警戒により人混みを避ける傾向になれば、ディズニーランドの入場者数の減少に拍車をかけてしまう恐れがあります。
主力事業であるディズニーランド・シーにおいて「入場者数の前年比減」「新型コロナウイルス」と向かい風が多い中、オリエンタルランドの株価はどのような方向へ進むのでしょうか。
次回の決算と今後の株価の推移が気になるところです。
【参考】
(※1)『「東京ディズニーランド®」「東京ディズニーシー®」チケット価格の改定について』オリエンタルランド
(※2)『株主優待制度』オリエンタルランド
(※3)『東京ディズニーリゾートの買取(ご売却)』Tickety ONLENE
(※4)『No.219(2010年12月1日発行)「投資信託の株主優待物等」について』一般社団法人投資信託協会
(※5)『ディズニーランド、入場全券種値上げ オリエンタルランド発表』日本経済新聞
(※6)『オリエンタルランドが上方修正 今期、ソアリン開業で入園者増』日本経済新聞
(※7)『TDL・TDS、肺炎対策「ミッキー」触れ合い減らす』日本経済新聞
鈴木 太陽