2024年12月、厚生労働省は2025年度以降の生活保護のうち「生活扶助」について、物価高騰などを踏まえた追加加算を行う方針を決定しました。
すでに2023年度と2024年度の2年間、特別加算として1人当たり月額1000円が支給されていますが、2025年10月からは、さらに500円を上乗せし、月額1500円の加算が実施されます。この措置は2年間の特例で、上昇し続けている生活費の負担軽減を目的としています。
そこで今回の記事では、今回の生活扶助基準の見直しの内容などについて、生活保護制度の概要と合わせて解説します。
1. 2年間の特例措置、2025年10月から月額1500円が加算
生活保護のうち、食費や光熱費など日常生活に必要な費用を賄うのが「生活扶助」です。厚生労働省は2025年度から2年間、生活扶助基準の特例加算額を現在の1000円から1500円へ引き上げることを決定しました。
生活扶助の基準額は、お住まいの市町村、世帯構成、世帯員の年齢、その他の加算などから計算されますが、生活保護を受けていない一般低所得世帯の消費実態に合わせるため、5年ごとに見直されています。
直近では2022年が検証の年にあたり、物価高騰への対応として2023年度と2024年度の2年間、特例的に月1000円が一律加算され、見直し前より基準額が下がる人には元の水準を維持する措置が取られていました。
今回の改定は、2025年以降も物価上昇の長期化や世帯の消費支出が増加していることを受けて、さらに月500円を上乗せし、合計1500円の加算が決まったものです。
また、加算を行っても見直し前より基準額が減少する人にも、引き続き、元の水準を据え置く措置が継続されます。
2027年以降に関しては、今回と同様、改めて検討するとしています。現在と同じような経済状況が続くなら、再び加算される可能性もあります。