振り返ってみれば、筆者の母親も「プチ毒親」でした。過干渉や厳しいコントロールの下で育てられたことが今なら分かります。なにかしようとすると「危ないからダメ」、少し帰宅時間が遅くなると学校に電話をかけられるというようなことが多々ありました。

いつも言われるのは、「あなたのことが心配だから」「あなたは私の言う通りにしていれば幸せになる」という言葉。「うちの親は愛情深いから」「わたしのことを心配してくれているから」と思っていましたが、結局は子どもが親の囲いの中から飛び出さないように管理されていたのです。

幼い頃から過干渉やコントロールにさらされていると、親からいろいろ言われないように、とにかく「良い子」になろうとします。

大学時代、友だちから「親との約束破って外泊してみれば?」と言われたときも「いや、そのあとが面倒だからしない」と返答しました。

面倒というより、毒親の囲いから飛び出る勇気がなかったのです。また親から呪文のように繰り返された言葉が心の深部に潜在し、罪悪感を抱きたくないために大学生になってもなお必死に親の言いつけを守ろうとしていたのかもしれません。