立春を過ぎても寒さが続く2月、引き続き物価の高騰が家計に重くのしかかっています。

超高齢社会の現代日本に生きる私たちにとって、将来のお金の不安や貯蓄の悩みは大きな課題と言えるでしょう。

本記事では、70歳〜74歳の二人以上世帯の生活費や厚生年金・国民年金の平均額、貯蓄状況をご紹介します。

70歳代前半のリアルなお金事情を踏まえ、長期的な目線で資金計画を立てましょう。

1. 【70歳代前半】70歳〜74歳《ふたり以上の無職世帯》ひと月の生活費はどれくらい?

まず、総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」から、70歳〜74歳の「二人以上無職世帯」の家計収支を見ていきましょう。

1.1 【70歳〜74歳】ふたり以上の無職世帯、ひと月の家計収支を見る

70歳〜74歳の無職夫婦世帯の家計収支は以下の通りです。

実収入:27万5420円

  • うち21万7558円

実支出:30万3839円

  • 消費支出:26万9015円
    ・食料:8万1072円
    ・住居:1万4151円
    ・光熱・水道:2万3522円
    ・家具・家事用品:1万1972円
    ・被服及び履物:6339円
    ・保健医療:1万7540円
    ・交通・通信:3万5169円
    ・教育:219円
    ・教養娯楽:2万7133円
    ・その他の消費支出:5万1898円
  • 非消費支出:3万4824円
    ・直接税:1万2987円
    ・社会保険料:2万1815円

収入と支出を比較すると、支出の方がおよそ2万8000円多いという結果になっています。

平均的な生活を送る70歳代前半の無職夫婦は、毎月2万8000円ほどの赤字が発生する計算です。

不足する分は貯蓄から取り崩す必要があるため、貯蓄を計画的に準備していくことが大切です。

2. 【70歳代前半】厚生年金・国民年金「平均月額いくら?」70歳~74歳《1歳刻みの平均》

70歳代前半のシニア世帯では、公的収入が生活を支える主な収入源になります。

次に、厚生労働省年金局の「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、70歳〜74歳の厚生年金・国民年金の平均受給額をご紹介します。

2.1 厚生年金「平均月額いくら?」70歳~74歳《1歳刻みの平均》

厚生年金は主に会社員や公務員が加入する年金制度で、国民年金に上乗せする形で支給されます。

事業主と従業員が保険料を折半して負担し、原則65歳から受給が始まります。

2024年度末時点の70歳〜74歳の厚生年金の平均月額は以下の通りです。

厚生年金「平均月額いくら?」70歳~74歳《1歳刻みの平均》2/4

厚生年金「平均月額いくら?」70歳~74歳《1歳刻みの平均》

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:15万455円
  • 71歳:14万8371円
  • 72歳:14万6858円
  • 73歳:14万5583円
  • 74歳:14万7774円

上記の平均月額には、国民年金の受給分も含まれています。

ただし上記の金額はあくまでも平均であり、加入期間の長さや加入期間中の収入などで金額が変わるため注意が必要です。

2.2 国民年金「平均月額いくら?」70歳~74歳《1歳刻みの平均》

国民年金は、国内に居住する20歳以上60歳未満の全員が原則として加入する年金制度で、公的年金の基礎となる部分です。

厚生年金に加入しない自営業者や農業・漁業者などは、国民年金のみに加入することとなります。

2024年度末時点の70歳〜74歳の国民年金の平均月額は以下の通りです。

国民年金「平均月額いくら?」70歳~74歳《1歳刻みの平均》3/4

国民年金「平均月額いくら?」70歳~74歳《1歳刻みの平均》

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:6万1011円
  • 71歳:6万770円
  • 72歳:6万234円
  • 73歳:6万32円
  • 74歳:5万9813円

国民年金のみに加入する場合、上乗せがない分だけ厚生年金に比べて受給額は少なくなります。

厚生年金に加入していない、または加入期間が短いという方は、しっかりと貯蓄を準備しておくことの重要性がより高いと言えるでしょう。

3. 70歳以上の世帯の貯蓄はどれくらい?

年金収入だけでは生活費が不足してしまう場合、貯蓄を取り崩していく必要があります。70歳以上のシニア世帯では、どれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。

ここでは、総務省の「家計調査 貯蓄・負債編 2024年(二人以上の世帯)」の第8-5表をもとに、70歳以上の二人以上世帯・勤労世帯の貯蓄状況をご紹介します。

3.1 70歳以上の二人以上世帯の貯蓄状況

70歳以上の二人以上世帯における貯蓄状況は以下の通りです。

貯蓄:2435万円

  • 金融機関:2435万円
    ・通貨性預貯金:779万円
    ・定期性預貯金:822万円
    ・生命保険など:372万円
    ・有価証券:462万円
     ・貸付信託・金銭信託:7万円
     ・株式:251万円
     ・債券:51万円
     ・投資信託:152万円
  • 金融機関外:6万円

平均貯蓄額は2435万円。その内訳を見ると、半分以上が預貯金です。 退職金や相続などで資産が増加した世帯が平均値を押し上げており、全体として高い貯蓄水準にあることがうかがえます。

3.2 70歳以上の勤労世帯の貯蓄状況

70歳以上の二人以上世帯のうち、勤労世帯における貯蓄状況は以下の通りです。

貯蓄:1972万円

  • 金融機関:1972万円
    ・通貨性預貯金:701万円
    ・定期性預貯金:602万円
    ・生命保険など:295万円
    ・有価証券:375万円
     ・貸付信託・金銭信託:5万円
     ・株式:252万円
     ・債券:20万円
     ・投資信託:97万円
  • 金融機関外:0円

勤労世帯に絞ると、貯蓄額は少し減って平均1972万円でした。

こちらも貯蓄の大半は安全性の高い預貯金等で運用されており、株式や投資信託などの金融商品は少ない傾向にあります。

年齢を重ねるにつれて資産を「増やすこと」よりも「守ること」の重要性が高まります。

株式や投資信託などで資産寿命を延ばすとともに、預貯金等で安全に資産を守ることも大切です。

4. 長い老後生活を見据えて資産寿命を延ばしましょう

人生100年時代と言われる現代日本においては、70歳代前半のシニア世帯の人生もまだまだこれからです。

長く続く老後生活を見据え、資金計画を立てることが大切です。

実際のシニア世帯の生活状況を見てみると、平均的な家計収支は赤字となっています。

公的年金だけでは不足する可能性があるため、しっかりと貯蓄を準備しておくことも重要です。

株式や投資信託などの金融商品と預貯金等のバランスを考えながら、資産寿命を延ばしていきましょう。

参考資料