人によって程度の差はありますが、「お札をできるだけ、くずしたくない」という気持ちを節約に利用するのです。

1万円札しか財布に入っていないので、もはや財布を持たなくてもいいのでは? と思う方もいるかもしれませんが、突発的に何か起こったときのために一応お金は持っておきましょう。

こうすることで、電車の待ち時間や、帰宅途中に見つけたカフェなどで無駄遣いをしてしまう危険性を低く抑えることができます。

「できるだけ、くずしたくない」という気持ちをより強くするために、ここでは財布に入れるお札を1万円札としましたが、人によっては千円札や5千円札など、自分に合うルールを決めてみてもいいかもしれませんね。

人は損をしたくない生き物

さて、なぜこのような節約法が効果的なのでしょうか?

そこで、1つ考えてみて下さい。

「今、千円受け取る“喜び”」と「今、千円失う“悲しみ”」はどちらが感情として強くなるでしょうか?おそらく、多くの人は「千円失う“悲しみ”」の方が感情として強く表れるかと思います。

実は、このことは心理学と経済学を融合させた行動経済学の分野で深く研究されているのです。行動経済学者のダニエル・カーネマン氏とエイモス・トベルスキー氏は、人が損と得をどのようにとらえるのかを研究しました。