「私やお父さんももうそんなに長くないことはわかっているの。自分たちの老後はあなたたちに迷惑をかけないように準備も始めているから安心して。でもね、あの子はそんな風に寄り添う相手に出会えなかった。あなたのような立派なパートナーに恵まれなかったあの子はかわいそうだと思う。だからこそ、姉であるあなたが年を取ったときあの子のことも気にかけてあげて欲しい」ハッキリは言わなかったものの、お母さんの話は「自分たちが世話しきれなくなったら弟を私たち夫婦で面倒見て欲しい」そういった内容だったといいます。
それを聞いたYさんは「弟が独身を通すことに異論はない。だったら今からあの子に少しでも自立するよう教えたらどうか」と筋を通すよう話しました。お金のこともしっかりさせるべきだと伝えたところ、お母さんから「そこはあなたたちに迷惑をかけないようにしてあるから。本当に、病気や怪我のときに助けてあげて欲しいの」と言われてしまったそう。つまり、お母さんは自分たちだけではなく弟さんの老後に向けてまで貯金をしていたのです。自分たちの死後まで弟を過保護に守ろうとする親に対し、Yさんは開いた口がふさがらなかったといいます。
おいしいところ取りをしようとする兄弟
Yさんのお母さんのように、本人が望んでいないところで将来のレールを敷かれている人もいれば、結婚・出産し子供がいる兄弟姉妹を利用しようとするパターンもあるそう。