昨年、5年に一度の公的年金の財政検証が行われました。「人生100年時代」や「老後2000万円問題」など、将来の年金不安が叫ばれている昨今ですが、今後、年金制度がどのように変化していくかは、私たちのこれからの生活に大変大きな影響を及ぼします。
2020年公的年金制度改正案のポイントを整理し、公的年金制度が今後どうなっていくのかについてみていきましょう。
2020年公的年金制度改正のポイントは大きく3つ
まずは、2020年公的年金制度改正の前提となる、2019年の財政検証について。財政検証でチェックされたポイントは、100年間を想定した財政均衡期間において、所得代替率が50%を維持できるかどうかです。
所得代替率とは、年金を受け取り始める時点(現状65歳)における年金額が、現役世代の手取り収入額と比較してどのくらいの割合かを示すものです。もし、50%を維持できない場合には、法律で「給付及び費用負担の在り方について検討を行い、所要の措置を講ずるものとする」とされています。
検証結果のポイントは大きく2つです。
1つ目は、所得代替率50%以上を維持するためには、今後の経済成長や労働参加が高い水準で進む必要があること。2つ目が、「被用者保険の適用拡大」や「保険料の拠出期間の延長」「受給開始時期の繰り下げ選択」が年金の給付水準を確保する上でプラスであるという試算結果が出たことです。
これらを踏まえて、2020年税制改正のポイントについてみていきたいと思います。