不動産会社に勤めていて仕事の幅を広げるために「宅建」を取得し、キャリアアップを目指す「資格取得」は別ですが、どのように収入を増やすか計画もなく、ただ資格を取れば収入もアップすると思って不安を埋めるために勉強しているのです。

勉強が収入アップの目的ではなく、「勉強が手段」になっているのですね。

離婚して自信がないというある女性は、コミュニケーション力を上げるために30万円でNLPの資格を取り、NLPを学んでいるときに知り合った人からあるセミナーを進められ、そこにも数十万円払って受講。セミナーで「講師になれるアドバンスコースもあるよ。講師になれば独立できるよ」と言われて、会社で疎外感を抱いていた彼女は独立するための投資と考えて50万円をローンで支払いました。

再婚を考えて、男性とうまくいきたくてご相談に来たとき、数百万円の借金がありました。

詳しく聞けば、元夫との関係が悪くなったのも、スピリチュアルやセミナーにはまったことをとがめられたからのようです。夫と話し合うべきところを、「どうせ分かってくれない」と向き合わずに相手の気持ちを占い師に聞き、スピリチュアルにすがって祈って願って幸せを引き寄せようとしておりました。

職場とは違ってセミナーで知り合った人たちは、自分を否定せず居心地がよかったそうです。

居場所欲しさにお金を払ってしまう人は貯められないでしょう。本来、それはお金で買えるものではないのです。

【参考】
「オタク」に関する消費者アンケート調査』矢野経済研究所

田中 菊乃