「これまでは、私が夫に『手が空いているなら掃除機をかけてほしい』『ゴミ出しお願い』と指示を出して動いてもらう形でした。たまに夫が自分から食事の支度をしてくれた時にも、『使い残しの野菜はラップして冷蔵庫に入れてよ』『調味料はちゃんと棚に戻して』など横から口を出しては、互いにストレスを溜めているような状態でした。

結局のところ、どのくらいのペースで作業をするのか、どこからどこまでがその家事に含まれる作業なのかなど「家事の業務内容」の基準や認識が、2人の間で違っていたのです。それをいちいち注意したりされたりすることが、イライラの原因だったというわけです」

例えばゴミ出しひとつをとっても、夫は「口の結ばれたゴミ袋を集積場に運んでいくこと」だと認識していました。ところが妻にとってのゴミ出しは、まず家じゅうのゴミ箱や水回りからゴミをまとめるところから始まります。それを集積場に持って行ったあとには、ゴミ箱や三角コーナーに新しいゴミ袋をセットするところまでやって業務完遂です。こうした考え方の違いが「せっかくやったのに文句を言われる」「中途半端にしかやってくれない」という双方のストレスを招いていました。

「そこでまず、日々の家事業務の内容を明確にしようと、作業範囲を確認し合いました。料理は後片付けまで、ゴミ出しは次のセッティングまでと共通の認識を持つことで、『やりっぱなし』『ここまでやって』という口出しがなくなります。

次に、家事労働について『妻が責任者で夫はヒラ社員』ではなく、『妻が責任者で夫は役員』と考えるようにしました。先に確認した範囲の業務をどのように進めるのか、細かなやり方は夫に一任します。頑張ったのに『そのやり方は違う』なんて言われたら、せっかくのやる気もしぼんでしまいますよね。『これはあなたの担当プロジェクトだから、あなたの自由なやり方で成功させて』とお任せすることで、夫も俄然やる気を持って家事をしてくれるようになりました。」

まとめ

今回紹介した家事の業務範囲の再確認や互いの認識のすり合わせなどは、参考にできる部分もありそうです。日々忙しい共働き夫婦だからこそ、双方がストレスの少ない形で家事・育児を分担して、互いにサポートしていきましょう。

【参考】
(※)『世界5カ国の「共働き」に関する意識調査』リンナイ調べ

LIMO編集部