2017年度末の厚生年金保険(第1号)の平均年金月額は14万7,051円。また、国民年金の平均年金月額は5万5,615円でした。
たとえば、夫が定年退職まで企業に勤め、その間に専業主婦であった世帯の場合、先ほど見た年金額を単純に合計すると20万2,666円となります。独身、共働き、退職の時期など考慮すべき点はたくさんありますが、ここでは仮に世帯当たり月に20万円の年金収入があると考えてみましょう。年金を25年受け取るのであれば受給額は6,000万円という計算になります。
退職後の25年間に貰える年金は6,000万円で、老後生活に必要なのは7,380万円、ゆとりある生活なら1億800万円ということを確認しました。単純に考えると、差額の1,380万円もしくは4,800万円が退職までに貯蓄しておくべき老後資金です。公的年金以外に、iDeCoのような私的年金や株の配当等による現金収入があったほうが安心なのはいうまでもありません。
意外と負担が大きい「孫出費」
計画的に老後資金を用意した人たちでも、思った以上に大変だという声が多いのが「孫出費」。最近はお年玉ならぬ「お盆玉」という新しい習慣も生まれ、負担が厳しくなっています。ソニー生命保険が実施した「シニアの生活意識調査2019」では、孫のために1年間で使った平均金額は13万1,334円としています。これは直近の5年間では最も大きい金額です。具体的なお金の使い道(複数回答可)は以下のとおりとなりました。