バブルではなくても暴落の可能性はあるので要注意

上記の4条件に照らすと、今の米国株はバブルではないようです。しかし、「バブルでないから暴落しない」ということは決してありません。筆者が気にしているのは、3つのリスクです。コロナウイルスの蔓延を加えれば、4つかも知れませんが。

(1)米中の覇権争いが急激に悪化すること。ケンカは何が起きるかわかりませんから、リスクシナリオとして頭の片隅に置いておきましょう。

(2)中国の過剰債務問題が急激に悪化すること。中国では債務不履行が増加している模様です。もともと過剰債務問題が深刻ですから、債務不履行が一気に広がると、中国発の世界不況という可能性も否定できません。リスクシナリオとして頭の片隅に置いておきましょう。

(3)米国で低格付けの債権が増加しているので要注意。米国も金融緩和で低格付けの債権が増加しているので、債務不履行の増加が信用収縮に結びつく可能性は皆無ではなさそうです。これもリスクシナリオとして頭の片隅に置いておきましょう。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義