金(ゴールド)は、その永遠を感じさせる輝きや加工しやすさによって、古代から人々に珍重されてきた富の象徴。今では宝飾品はもちろんのこと、家電や通信機器などに内蔵されている電子部品の製造に欠かせない素材となっています。

金の埋蔵量は有限であり採掘も容易ではないため、希少性が高く、実物資産としての高い価値が世界的に認められています。国際的な紛争や経済不安が高まると、「安全資産」とされる金が買われて金価格の上昇が起こります。

昨年からの金価格の上昇をみて、金に投資しようかと考えている人もいるかもしれませんね。金投資のメリットとデメリットについて、整理してみたいと思います。

金の塊を買うだけが「金への投資」ではない

金への投資のもっとも直接的なかたちは、金地金(インゴット)や金貨などの購入です。記念金貨などは、金への投資とは意識せずにコレクションとして購入されている方も多いのではないでしょうか。金地金よりは身近に感じますよね。その時の金価格にもよりますが、金貨は安いもので2〜3万円から購入することができます。

金の現物を買って手元に保管する以外にも、金に投資することは可能です。少額でできるものとして「純金積立」があります。これは、金を販売している会社や証券会社などに口座を開き、積立預金のように毎月金を買付・積立していくものです。

また、株式のようにリアルタイムの価格で取引ができる金ETF(上場投資信託)などの金融商品を買うことで、間接的に金に投資する方法もあります。NISA(少額投資非課税制度)や特定口座などが利用できるので、税金を減らす、納税の手間を省くという両面で利点があります。

金への投資が持つメリット

実物投資の対象となっている貴金属には、金のほかにも銀やプラチナがありますが、希少性のある特別な財産として長い歴史のある金は、取引市場の規模が大きく、価格変動のリスクが銀・プラチナより低くて安定的です。

金貨として通貨の役割も果たしてきたことから、換金もしやすく、遺産相続などでは不動産や株式・債券などより手続きがスムーズだとも言われます。