そんな私が息子の個性を受け入れられるようになったきっかけは、定期的に受診していた療育センターの医師や、地域の発達支援員、教育委員会の方たちの存在です。

それまでは「発達障害=マイナス」と捉えていましたが、さまざまな専門家からアドバイスを受けるたびに、「発達障害は珍しい障害ではない」ことに気づかされました。

「目の悪い子はメガネやコンタクトレンズを利用する」のと同じで、「発達障害の子は特別な支援を受ける」ことが普通のこと。

発達障害だからって自立できないわけではないし、環境を整えることで本人の才能だってしっかりと花開かせてあげることもできる。

多くの発達障害の子どもを見守ってきた専門医や支援員の方々から直に聴くお話は、筆者にとってまさに「希望の光」でした。

息子の障害が「人とのご縁」をつないでくれた

今でこそ息子の発達障害を受け入れている筆者ですが、もしも「発達障害がすっかりなくなってしまう手術」のようなものがあるとすれば(実際にはありえませんが)、そりゃあ検討します。それで息子がより生きやすくなるのであれば…。

しかし、今はそんなおとぎ話よりも「息子がつないでくれた人とのご縁」が有難いな、と思えるのです。