お腹の中に命が宿ったときは「無事に大きくなって」と願い、出産が近づいてくると「五体満足で健康に」と思いが加わります。

そして、子どもが成長するにつれて「集団行動ができるように」「お行儀よく」「みんなと同じように」など、どんどんと欲が出ていく自分に気がつきました。

息子がADHDと診断されてからは、「どうやってこの子を育てていけばいいのだろう」と不安に駆られ、「将来の就職先がないのではないか」と案じる日も1日や2日ではありませんでした。

「なんでこの子が?」「神様、私何か悪いことしましたか?」なんて嘆く日も…。

息子の個性を受け入れられるようになった「きっかけ」

夫は比較的すぐに『発達障害か。じゃあ、それに合う支援をしっかりと受けていこう』という切り替えができる人でした。

一方の筆者は、「妊娠中の食生活がいけなかったのかな?」「お先真っ暗!」「そもそも、本当にADHDなの?誤診の可能性は?」などと現実離れした考えばかりをしていました。

それもこれも、全ては「息子の発達障害が何かの間違いであってほしい」という気持ちからで、きっと無意識のうちに現実逃避をしていたのでしょう。