たとえば基本給については、正社員に対して「能力」「経験」「業績」「勤続年数」に応じて支払っている場合、非正規に対しても違いに応じた額を払うことが求められます。

研修や教育訓練に関しても、非正規でも正社員と同じように受ける形になるので、スキルアップも見込めるようになりました。正社員と非正社員の待遇や格差が、大きく是正されるようになります。

これまで「条件さえ合えば就職を決めていた」「何の仕事でも雇ってもらえるだけでありがたい」と思っていた人でも、今後は自分のやりたい仕事に関してキャリアを見込めるようになるでしょう。

業種でも、職種でも、就きたい仕事で経験を積んでおく。そうすることで子育てがひと段落した後も、キャリアアップできる可能性が少しずつできてきたのです。

70歳まで仕事をするかもしれないわけですから、仕事にやりがいを求めるのは本来ぜいたくでもないでしょう。人生の多くの時間を費やすことになる仕事や自分のキャリアについて今一度考えてみてくださいね。

宮野 茉莉子