たとえば基本給については、正社員に対して「能力」「経験」「業績」「勤続年数」に応じて支払っている場合、非正規に対しても違いに応じた額を払うことが求められます。
研修や教育訓練に関しても、非正規でも正社員と同じように受ける形になるので、スキルアップも見込めるようになりました。正社員と非正社員の待遇や格差が、大きく是正されるようになります。
これまで「条件さえ合えば就職を決めていた」「何の仕事でも雇ってもらえるだけでありがたい」と思っていた人でも、今後は自分のやりたい仕事に関してキャリアを見込めるようになるでしょう。
業種でも、職種でも、就きたい仕事で経験を積んでおく。そうすることで子育てがひと段落した後も、キャリアアップできる可能性が少しずつできてきたのです。
70歳まで仕事をするかもしれないわけですから、仕事にやりがいを求めるのは本来ぜいたくでもないでしょう。人生の多くの時間を費やすことになる仕事や自分のキャリアについて今一度考えてみてくださいね。
宮野 茉莉子
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
くらしとお金の経済メディア『LIMO』編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
1984年生まれ。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にて国内外株式、債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、個人顧客向け資産運用コンサルティング業務に従事。特に投資信託や株式、債券などを用い、顧客ニーズやライフプランにあわせた丁寧でわかりやすい資産運用の提案が強み。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』の編集長。LIMOでは厚生労働省、金融庁、総務省、財務省(国税庁)など官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度、貯蓄、教育、キャリアなどをテーマに執筆。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)、中学・高校社会科(公民)教員免許保有。3児のひとり親で趣味は音楽鑑賞と読書(2025年7月4日更新)