株式市場の振り返り-小幅続伸となるものの、薄商いの中で力強さに欠ける展開

2016年5月20日(金)の新興株式市場は小幅続伸となりました。日経ジャスダック平均は前日比+0.3%の上昇となり、現在の新興株式市場の主役である東証マザーズ総合指数は+1.1%上昇の続伸となりました。ただ、上昇はしたものの、両市場とも力強さに欠けた動きとなっています。

東証マザーズ総合指数は、5月12~13日にかけて、4月21日に付けた約9年ぶりとなる高値(1,230ポイント)を抜く目前まで行きましたが、その後は停滞を余儀なくされています。20日の相場は、取引時間を通して前日終値を上回る水準で推移しましたが、再び上値を試すような動きは見られませんでした。結局、終値は1,080ポイントに止まり、3日連続で1,100ポイント割れとなっています。ただ、懸念されていた1,000ポイント割れは、当面は避けられそうな雰囲気となりました。先ずは、終値での攻防ラインを1,100ポイントに持っていくことが必要でしょう。

しかし、20日の商いは前日に続いて、超閑散状態で終わりました。出来高は前日をさらに下回る6,337万株に止まり、市場参加者が少ないGW期間中の出来高よりも、さらに少ない状況が続いています。また、20日は時価総額の大きい値嵩銘柄の売買が少なかったこと等から、売買代金も1,707億円の薄商いに止まっています。なお、騰落数は値上が139銘柄、値下がり73銘柄、変わらず13銘柄となっています。

上昇した銘柄が目立つものの、小幅な値動きに止まる

20日の東証マザーズ市場の個別銘柄では、医療バイオ関連で、そーせいグループ(4565)が▲1%と反落しましたが、アキュセラ(4589)が+16%のストップ高、サンバイオ(4592)が+4%、アンジェス MG(4563)が+4%、ヘリオス(4593)が+7%、グリーンペプタイド(4594)は+1%になるなど、総じて上昇したものが目立ちました。

また、前日は下げ止まりの兆候が見られたブランジスタ(6176)が、▲14%安となり1週間で4回目となるストップ安でした。やはり、下げ止まったと見るのは早過ぎたようです。また、情報通信関連でも上昇した銘柄が多かった中、前日にストップ高のエディア(3935)が+5%の続伸、グローバルウェイ(3936)も+7%の続伸、アカツキ(3932)は+3%の反発など、好調な値動きが目立っています。

その他の注目株では、CYBERDYNE(7779)が+3%、Gunosy(6047)は+5%、はてな(3930)は+2%、エナリス(6079)が+5%、ミクシィ(2121)が▲0%となっています。

新興市場を刺激する新たな材料は伊勢志摩サミットの終了後からになる?

5月16日から東証マザーズ市場で繰り返された、急落⇒小幅反発⇒急落⇒小幅反発というサイクルは、20日は小幅続伸という形で週末を終えました。しかし、新たな材料が乏しいこと等から、厳しい薄商いが続いており、新興市場特有の活気も見られません。期待していた“物色第二波”は、もう少し先になりそうです。

今週は、伊勢志摩サミットの本会議も行われますが、新たな成長戦略が大きな材料になる可能性は低いと考えられます。むしろ、伊勢志摩サミット終了後に、様々な情報が出て来ると思われます。そのため、今回の停滞局面を、新たなエントリーに向けた準備期間と考えるのもいいでしょう。今週に入ってからの下落が大きかった医療バイオ関連では、安くなった銘柄に注目です。また、成長戦略のネタになりそうな自動運転、次世代エネルギー、FinTech、ドローン、AI、民泊などにも引き続き注目したいと思います。

LIMO編集部