この背景にあるのは、家事育児の大変さが正当に評価されていないことが一つ。家事育児は立派な労働ですが、収入が発生しないため「やって当たり前」「誰でも普通にできる」と思われやすいものです。
また、男性社会であるゆえ、家事育児をしない男性側にはその大変さはなかなか理解されにくい問題もあります。さらに家事以外でも、育児、住む場所、仕事選び、キャリアなど、女性が男性に合わせることが多いのが現状です。
経済力で減っていく我慢の必要性
何をどこまで我慢するかの判断も難しいものです。結婚生活の我慢は家事育児だけでなく、時にはモラハラ、セックスレス、義実家トラブル、借金、不倫、リストラといった問題に及ぶこともあります。
モラハラやDVといった精神的・肉体的暴力でさえ、我慢してしまう人が少なくありません。特に小さな子を育てる母親は、働いて生活するだけの収入を得るのが難しく、そうした状況に甘んじることを強いられやすくなります。
モラハラやDVも段階があり、「シェルターに入ったり生活保護を貰うほどではない」と我慢する人もいるのです。
一方で、昔よりも我慢が強いられる風潮は減ってきました。離婚しても「自分らしい人生を取り戻せてよかったね」といわれる場合も増えてきています。