今回のコラムは、カルロス・ゴーン被告のレバノンからの記者会見が行われる当日の午前中に書いています。
この時点では、記者会見で何が語られるのか不明ですが、ゴーンさんの圧倒的なコミュニケーション力は、今後、日本の司法当局にかなりネガティブな影響をもたらす可能性もあるのではないかと考えています。
コミュニケーション能力が影響力を持つという状況は、日本で逮捕された被疑者が海外逃亡を正当化する発言をし、被疑者に有利に事が運びかねないという特殊事例だけではなく、外国語、特に仕事で英語を使う立場の方々にも日常的に起こり得ることです。
つまり、英語でのコミュニケーションができるだけで給料が上がったり、外資系企業でうまく立ち回れたり、グローバル人脈ができたりすることが多々発生しているのです(英語ができないとその逆)。
今回は、英語でのコミュニケーションができるか否かでグローバルな舞台で大きな差がつくこと前提として、日本人がどのように英語と取り組むべきかを論じたいと思います。
ゴーン被告が育った環境
元日産の会長というキャリアもさることながら、3つの国籍を持ち数カ国語を操れるゴーン被告は、たとえ学がなかったとしても、必ず世に出てくる人物ではなかったかと推察します。
幼少期を過ごした当時のブラジルやレバノンは経済や政治の混乱が続く混沌とした発展途上国で、社会の不公正や格差などをあからさまに見てきたはずです。何事もこじんまりとした事なかれ主義の日本とは異なり、出る杭にならないと食っていけないのが途上国の実態です。