社会で伸していくには学力か腕力か、その両方かが問われるわけです。ゴーン被告はそうした国々の環境で育ち、最終的にフランスのÉcole des Mines de Paris (パリ国立高等鉱業学校)で工学博士を取得したエリートです。

すでにこの時点で”普通の”日本人は太刀打ちできません。その後、ミシュランやルノーのブラジルやアメリカの上級役員を努めた後、日産入りしたのは周知のことです。語学力云々以前に、経験値や体力は並外れていると推察します。

英語ができないと不利になる!?

ゴーン被告は5カ国語を話すと言われていますが、育った環境と本人の努力もあって数カ国語を話せるわけで、日本に住んでいれば5カ国語はおろか英語も不要ですから、日本人がおしなべて英語ができないのは当たり前なのです。

ただし、今回のような“国際紛争”が起きて自分の立場を明確にしなければならない際は、やはり英語でのコミュニケーションは必須で、できないと圧倒的に不利になります。

今回の脱走劇が起こった後に、日本の法務省も英語でプレスリリースを行っています。ただ、いかんせん紋切り官僚口調ですから、とても日本の立場を強力にアピールできる説明になっているとは言い難い印象です(もっとも捜査状況もあるのでペラペラ喋れないことはわかります)。

また、日本のマスメディアも米国のウォール・ストリート・ジャーナルや英国BBCの英語報道を翻訳して伝えているのは、いかに英語での情報が世界を席巻しているかという証左と言えるのではないでしょうか(こちらも日本のマスメディアには“情報統制”が敷かれている可能性もありますで、その分は割引いてください)。