株式市場の振り返り-小幅反発に終わり、攻防ラインは1,000ポイントの死守へ
2016年5月19日(木)の新興株式市場は小幅反発となりました。日経ジャスダック平均は前日比+0.4%の上昇となり、現在の新興株式市場の主役である東証マザーズ総合指数は+1.6%高の反発となりました。上昇こそしたものの、前日の急落(▲7.8%)から見れば、力弱い反発に止まっています。
東証マザーズ総合指数は、目先は明らかな調整局面に入ったと言えます。先週、4月21日に付けた約9年ぶりとなる高値(1,230ポイント)を抜く目前まで行きましたが、当面は停滞を余儀なくされそうです。19日の相場では、寄り付きから強含みで推移しましたが、その後は売りに押されました。結局、終値は1,068ポイントに止まり、2日連続で1,100ポイント割れとなっています。先週は終値での攻防ラインは1,200ポイントでしたが、徐々に1,000ポイントの攻防に近づいていると言えましょう。
19日の商いは超閑散状態で終わりました。出来高は再び1億株を大幅に下回り、約6,406万株の低水準になりました。これは、ゴールデンウィーク期間中の出来高も下回る薄商いです。時価総額の大きい値嵩銘柄の売買が相応にあったとはいえ、この低水準の出来高では売買代金も2,112億円に止まっています。なお、騰落数は値上が138銘柄、値下がり79銘柄、変わらず8銘柄となっています。
総じて高安まちまち、医療バイオ関連は小幅反発に止まる
19日の東証マザーズ市場の個別銘柄は、そーせいグループ(4565)が+6%、アキュセラ(4589)が+9%など反発しましたが、弱い動きに終始しました。また、同じ医療バイオ関連でも、グリーンペプタイド(4594)は▲2%、サンバイオ(4592)が▲2%、アンジェス MG(4563)が+1%、ナノキャリア(4571)が+2%になるなど、高安まちまちとなっています。
その他では、3日連続のストップ安となっていたブランジスタ(6176)が+0%となり、一応は下げ止まりました。また、情報通信関連でも高安まちまちでしたが、エディア(3935)が+18%のストップ高、グローバルウェイ(3936)が+10%、アカツキ(3932)は▲11%などの値動きが目立っています。
その他の注目株では、CYBERDYNE(7779)が▲2%、Gunosy(6047)は+0%、はてな(3930)は+3%、エナリス(6079)が▲1%、ミクシィ(2121)が+2%となっています。全体的に見れば、方向感が乏しかったと言えます。
今週に入って始まった下落サイクルからの脱却が焦点
今週に入ってからの東証マザーズ市場は、急落⇒小幅反発⇒急落⇒小幅反発という望ましくないサイクルを繰り返しています。特に19日は、大型株同様の超閑散状態となり、新興市場特有の活気も消え去ったようです。明日、20日(金)は、このサイクルからの脱却が期待されますが、目新しい材料難の現状では、なかなか厳しいかもしれません。期待していた“物色第二波”は、もう少し先になりそうです。
そうは言っても、伊勢志摩サミット関連イベントが始まり、新たな成長戦略が大きな材料になる可能性は十分にあります。伊勢志摩サミットと絡めて、これから様々な情報が出て来ると思われますので、今回の停滞局面を、新たなエントリーに向けた準備期間と考えるのもいいでしょう。今週に入ってからの大幅下落で、やや過度に売られた感がある銘柄をチェックしておきたいところです。特に、今週に入ってからの下落が大きかった医療バイオ関連では、安くなった銘柄に注目です。話題性は未だ失われていませんので、完全に見切るには時期尚早と言えます。また、成長戦略のネタになりそうな自動運転、次世代エネルギー、FinTech、ドローン、AIなどにも引き続き注目したいと思います。
LIMO編集部