米Buzzfeednews.comは「アマゾンの翌日配送サービスはアメリカの街路を無秩序で流血の場にしてしまった―しかし、世界で一番大きなリテーラーはその責任を逃れるシステムを持っている」というタイトルの記事の中でいくつかの被害例とともに、アマゾンに都合のいい配送システムについて説明しています(※2)。

アマゾンのスピード配送は、アマゾンを主な収入源とするスタートアップや地元の配送会社に厳しいノルマを課すことで成り立っている、といいます。

繁忙期には天候が悪かろうが「我々の優先すべきことは、すべての商品を時間通りに顧客に届けることだ」と、アマゾンが送った配送会社に圧力をかけるメールも公開されています。

ほとんどの会社がルート毎の定額契約です。契約額は低く、車の整備も十分にできない会社もあるそうです。運転手はポンコツ車と、時には1日に250個もの配達ノルマを課されることもあるとのこと。

契約上アマゾンは配送会社に対して、運転手の最低6カ月以上の経験と身元検査を要求してはいるものの、実際は運転手が辞めてしまうことが多いため、そんな条件はつけられないというのが現状のようです。

事故が起きてしまった場合は配送会社と運転手の責任で、アマゾンには契約上一切責任がないということです。

まとめにかえて

どうでしょう、社会的に弱い立場に無理のしわ寄せがいってしまう仕組みになっているのが分かります。

スピード配送で顧客は喜び、アマゾンは儲かる。しかし、まったく関係のない市民にまで被害が広がってしまうようでは、もはや他人事では済まされません。不審な配送ヴァンをみかけたら要注意です。

【参考】
(※1)“Amazon’s internal injury records expose the true toll of its relentless drive for speed” Reveal
(※2)“Amazon’s Next-Day Delivery Has Brought Chaos and Carnage to America’s Streets — But The World’s Biggest Retailer Has A System To Escape The Blame”BuzzFeed.News

美紀 ブライト